しるしの共同創業者下田が挑む巨大市場への大挑戦〜あのブランド体験の”ワクワク”を、1億2000万人へ〜

Amazonや楽天、Shopifyをはじめ、いまや消費者の生活に欠かせないインフラになりつつある”EC”。新型コロナウイルスの拡大でその裾野はますます広がり、最近では実店舗をメイン販路とした大手ブランドも参入してきています。
下田陽志郎は、2016年からこの領域で事業展開するECマニア。そんな彼は、2021年に共同創業取締役として、代表の長井と共にしるし株式会社を立ち上げました。「これまで感じてきた業界の大きな”課題”を、しるしでなら解決できる」。いま、確かな手応えを感じているといいます。
業界のプロフェッショナルとしての知見を武器に、会社を支える下田の”ブランド体験に対する熱い想い”と、今後のビジョンについて話を聞きました。
下田陽志郎(しもだ・ようしろう)
通販のメッカである福岡にてEC事業の立ち上げを経験。その後独立し、ECモール事業歴6年。Amazonにおける各メーカーの競争の激化から、消費者が手に取りたいブランドが埋もれてしまっている現状を解決すべく、しるしを長井と共に起業。
インターン時代に感じた「業界の課題」
しるしを創業したきっかけを教えてください。

実は、ECの運用代行事業自体は大学生の頃から色々と形を変えてやってきていたんです。その後、縁あって2020年に代表の長井と出会うのですが、様々なプロジェクトを一緒にしていくうちに、考え方や実現したい社会像、やりたいことが一致していると感じ、「この業界で、長井さんと組んだら、AmazonにとどまることなくECという切り口からブランド全体のグロースに貢献できるサービスをつくれるんじゃないか」と思い、しるしという会社を立ち上げました。
具体的にどういったお話をされていたのでしょうか?



何を大切にしながら働くのかなど、”価値観”について特に話しましたね。長井は、元々P&Gでブランドマーケティングの経験があり、ブランドへの理解や想い入れが強い人間です。”ブランドを正しく消費者に届けること”がどれだけ重要で価値があることか、知り尽くしています。
メーカーの中には、ノウハウがあまりない担当者が他の業務と掛け持ちで運用をしていたり、代理店に任せっきりで他販路との連携が取れていないケースが多く見受けられます。また、転売や模倣品が横行していても、多くの企業はその対応に割くリソースがありません。
こうしたマーケットの課題について議論を交わしたとき、価値観や目指したい姿が一致していると感じたのが、創業のきっかけです。


運命的な出会いだったんですね。そもそも、下田さんが最初にECの運用代行業に着目したきっかけはなんだったのでしょうか?



大きなきっかけとなったのは、大学時代にとあるメーカーでインターンシップをしていた時の経験です。メーカーとして思いを込めてブランドを作り、消費者に向き合い続ける先輩方に心を打たれたのを今でも覚えています。
インターン時代は、モール型ECの販路立ち上げ立ち上げやFB広告の運用など幅広く様々な業務を任せていただいていました。 その過程で、大切に作り上げたブランドが”競合からの嫌がらせレビュー”や”転売”の対象となっている実態を知り、憤りを感じました。
当時から右肩上がりに伸びていて、今後も成長する業界だと確信していましたし、やりがいを感じていました。ただ、Amazonの市場を分析していくと「粗悪ブランドが不正操作により月1万本以上売れている」などの実態を目の当たりにし、やるせない気持ちになります。このことに物凄く憤りを感じたんですよね。
そういう悪質な商品ではなく、本当に使って感動する商品が消費者に正しく届けられる環境をつくりたいです。これが、この業界の課題に取り組もうと考えるきっかけになりました。
初めてMacBookを買った忘れられない体験。そんな”ワクワク”をたくさんの人に感じてもらいたい


下田さんにとっての、”ブランド体験”にまつわるエピソードを教えていただけますか?



メーカーでインターンをするさらに前、高校2年生の時に初めてMacBookを買ったんです。そのときの体験が忘れられなくて。もう嬉しくて嬉しくて、その日は抱き抱えたまま寝ちゃったりして(笑)、「もうこれがあれば新しいチャレンジがなんでもできて無敵だ!」なんて思ってましたね。
購入する前には、家族や周りの人に相談しながら「サイズはどれがいい」「メモリのサイズはこれがいい」と、最大限自分好みにカスタマイズしました。最後に購入ボタンを押した瞬間の高揚感は、いまだに鮮明に覚えています。
Apple社の製品には、たしかに特別な体験がありますよね。



はい。ただ、こういう”ブランド体験”って、ハイブランドに限らず、日常のいろんなところにあると思っているんですよね。
例えば、比較的低単価のモバイルバッテリー1つとっても、Ankerの新商品が出ると心躍るじゃないですか。どれだけの機能が詰まってるんだろう、とか、どれだけ軽いんだろうとか。そういった”ワクワク”した感覚を、より多くの人に感じてもらいたいんです。
ブランド、消費者、プラットフォームの”三方よし”のパートナーでありたい
しるしの将来のビジョンについてお聞かせください。



一番は、メーカーやブランドにとっての”頼れるパートナー”になることですね。ブランドに真剣に向き合っている企業が、「どこかと組んでそのブランドを伸ばしたい」となったときに、第一想起としてしるしを思い浮かべていただけるような状態を作りたいです。
また、プラットフォームからも信頼できるパートナーでありたいですね。プラットフォームにとっても、質の高い運用で流通総額を伸ばしたいはずですし、消費者から信頼のあるブランドには少しでも多く出品してほしいはずです。しるしと組むことで、メーカーもプラットフォームも売上が伸びて、信頼も積み上がる。そういう状態を作れるといいですね。
そしてそれが、ひいては消費者の方のブランド体験を高めることにもつながっていきます。この”三方よし”をつくることは、決して簡単なことではありませんが、すべてのパートナーと真摯に向き合うことではじめて実現できるのではないかと思っています。


そんな世界を実現するために、いま具体的に取り組んでいることはありますか?



まずは、メーカーやブランドにとって頼れるパートナーになるため、提供サービスを見直し、再構築しています。単なる”運用代行”ではなく”ブランドパートナー”として、その先の消費者のブランド体験を指標化したり、またブランドの粗利改善に対してコミットするなど、ブランドの売上を正しく・着実に伸ばすことが弊社の利益につながるような仕組みを模索しています。
また、これらを高い品質で提供するための組織づくりにも注力しています。「ブランド体験を最適化する」というミッションを掲げ、これに共感いただける方だけを採用し、評価するようにしています。次第に、提供価値に対してストレートに向き合い、働ける環境が作れている、という手応えもあります。
コトに向き合い、チームの成果を心から喜べる組織へ
下田さんが採用にあたり重要視しているポイントはなんでしょうか?



今のしるしのミッションやビジネスモデルに共感してくださるかということは大前提ですが、利他的な行動ができる人、目標に向けコミットできる責任感や粘り強さを重要視しています。
また、今後よりビジネスを加速・拡大させていくので、その成長痛も含め一緒に楽しんでくれる人を採用したいなと思っています。
今後どういう価値観を大切にするチームを作っていきたいですか?



素直に価値創出を楽しめるチームにしていきたいですね。誠実にブランドに向き合い、クライアントと一緒に勝つという基本的な姿勢はもちろん、成果をしっかり追い求めて、楽しんで活躍できるチームにしていけたらいいです。
最後に…今のしるしを一言で表すと?



「希望」ですかね。業界的にも、その中でのポジションとしても将来の展望は明るいですし、今最高のメンバーが集まっているので、これからさらに仲間が増えればと思うと、可能性に溢れているなと感じています。
楽しいというのも、もちろん和気藹々とすることも時には必要ですが、どちらかというと、チームで連携して、何かを成し遂げた時の達成感を楽しみたいなと思っています。
しるしの事業は、チームで考えた施策が売上に直結して、何をお客様に届けられたのか、どういうレビューが消費者から入ってきたのか、全部結果として見えるんです。良いチームプレーをすれば成果に直結するビジネスであり、メンバーのやりがいに繋がる。このサイクルをとことん楽しみながら会社を成長させていきたいですね!
ありがとうございました!