Amazon 比較テスト（ABテスト）とは？メリット・注意点・設定方法を解説

Amazonで思うように成果が出ず、商品名や商品画像などの最適解を見つけるのに苦労している方が多いのではないでしょうか。そのようなときに便利なのが、Amazonの比較テスト（ABテスト）機能です。1つの商品に対して2つのパターンの効果を検証できるため、最適なコンテンツを見極めることができます。本記事では、Amazonの比較テスト（ABテスト）を活用するメリットや注意点、設定方法まで詳しく解説します。

Amazon 比較テスト（ABテスト）とは

Amazonの比較テスト（ABテスト）とは、1つの商品に対して、同じ期間で2つのパターンのコンテンツを比較できる機能です。

2パターンのコンテンツは消費者に対してランダムに表示されるため、コンテンツにかかわる客観的なデータを抽出できます。成果につながったコンテンツを発見するヒントになり、コンテンツの最適化に役立てることで、売上アップを期待できるのが特徴です。

Amazonの比較テスト（ABテスト）を利用する上では、以下のようなルールが定められています。3点に分けて、Amazon ABテストの概要をチェックしていきましょう。

• 利用可能なコンテンツ
• 実施可能期間
• 利用資格

参照：Amazonセラーセントラル｜比較テストの管理

利用可能なコンテンツ

Amazonの比較テスト（ABテスト）を実施できるコンテンツの種類は、以下の通りです。

• 商品画像（メイン画像・サブ画像※）
• 商品名
• 商品仕様
• 商品説明
• 商品紹介コンテンツ（A+）
• ブランドストーリー

※サブ画像はバリエーションを組んでいない商品のみ

比較テストではCVRの比較ができるため、商品名や商品画像の変更による購買意欲への影響を計測できます。

また、商品ページでは商品説明や商品仕様などを見て購入を検討するため、コンバージョン率改善に役立てることが可能です。

さらにブランドストーリーのコンテンツも比較できるため、より魅力が伝わるブランドストーリーの検討にも役立ちます。

商品紹介コンテンツ（A+）のメリットや注意点、作り方などは以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

実施可能期間

Amazonの比較テスト（ABテスト）は、以下の2パターンで期間を選択できます。

パターン	期間
有意水準へ	AとBで優れたコンテンツが明確になったタイミングで自動的に終了
期間を設定	・4週間 ・6週間 ・8週間 ・10週間

「有意水準へ」というパターンでは、AとBふたつのコンテンツで効果的な方がわかるデータが収集できた時点で自動的に終了します。一定以上の販売数があるASINなど、安定した実績のある商品に対するテストにおすすめです。

「期間を設定」では、4つの期間からテスト期間を選択できます。すばやく検証結果を得たい場合は4週間、できるだけ長い期間で検証したい場合は10週間など、運用計画に合わせた実施期間を選択しましょう。

利用資格

Amazonの比較テスト（ABテスト）を利用するためには、ブランド登録が必須です。ブランドを所有し、Amazonブランド登録を済ませている場合にABテストを実施できます。

また、Amazon ABテストの利用資格として、対象となるASINを1つ以上所有している必要があります。明確な基準は示されていませんが、ある程度トラフィックを獲得しなくてはいけません。

比較テストの管理画面では、ASINに対して利用資格のステータスが表示されるので、確認しましょう。トラフィックが非常に少ない場合ASINは表示されない点には、注意が必要です。

なお、ASINについては以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてみましょう。

Amazon 比較テスト（ABテスト）を活用する3つのメリット

Amazonの比較テスト（ABテスト）を活用するメリットは、以下の3つです。比較検証のリソースや正確性などに効果を期待できるので、メリットを理解した上で活用を検討してみましょう。

• より少ない労力・時間で比較テストができる
• より正確な検証結果が獲得できる
• Amazonで効果的なパターンを把握できる

より少ない労力・時間で比較テストができる

Amazonの比較テスト（ABテスト）は、テスト用の商品ページを追加したり、複数の商品ページをアップロードしたりすることなく、比較検証をはじめられます。

比較テストを実施したいASINを選び、いくつかの設定を行うだけで、手間や時間を抑えて実施できるのがメリットです。

より正確な検証結果が獲得できる

Amazonではこれまで同じ期間で2つのパターンを比較できませんでしたが、比較テスト（ABテスト）によって正確な結果を獲得しやすくなりました。

同じ期間で2つのパターンを消費者に対してランダムに表示でき、どちらのコンテンツが成果につながりやすいかを把握しやすくなっています。

Amazonで効果的なパターンを把握できる

Amazonの比較テスト（ABテスト）で得たデータは、比較テストを実施したASINに対してはもちろん、他のASINに対しても適用できるノウハウになります。

たとえば、2つの商品画像で大きな差が出た場合は、成果が出た画像の作り方に統一することで、他の商品でも集客しやすくなるはずです。

ABテストをさまざまな商品で実施し、有効なデータを蓄積することで、Amazonでの勝ちパターンを発見できます。

Amazon 比較テスト（ABテスト）を活用する際の注意点5つ

Amazonの比較テスト（ABテスト）にはメリットが多い一方で、活用する上で注意点がいくつかあります。

5つの注意点を正しく理解し、Amazonの比較テスト（ABテスト）を上手に活用しましょう。

• 一定のトラフィックがないと効果的な結果を得られない
• 検証結果は必ずしも正解ではない
• 一時的にコンバージョンやアクセスなどが落ちるリスクがある
• ひとつのASINに対して同時に複数のテストを実行できない
• ガイドラインに違反しているコンテンツは比較できない

一定のトラフィックがないと効果的な結果を得られない

Amazonの比較テスト（ABテスト）を利用するためには、ASINに一定以上のトラフィックがなければいけません。トラフィックが足りていなければ、そもそもABテストを実施できない点に注意しましょう。

また、比較テストを実施できる商品であっても、比較テスト期間中、検証に必要なトラフィックがなければ、効果的な結果を得にくくなります。

トラフィックが不十分だと考えられる場合、検証後にAmazonからも指摘があります。トラフィックが多いほどデータが増え、根拠のある比較ができるので、ある程度集客できている商品からテストを実施するとよいでしょう。

検証結果は必ずしも正解ではない

比較テスト（ABテスト）の結果は、すべて確実なデータとは限らず、例外的なデータである場合もあります。

実証データは1週間ごとにその時点での途中結果が開示されますが、1～2週間のデータだけでは、変数による影響を明確に判断できません。

突発的な外部要因などの影響で数値が変動した可能性もあるため、最低4週間は比較テストを継続し、最適なコンテンツを慎重に検討しましょう。

一時的にコンバージョンやアクセスなどが落ちるリスクがある

比較テスト（ABテスト）では2パターンのコンテンツを比較できますが、商品名や商品画像などの変更によって数値が減少する恐れがあります。

たとえば、一方の商品画像でクリック率が下がると、商品に対するパフォーマンスが落ちる点に注意が必要です。

低下する指標によっては売上にも影響を与えるため、リスクを理解した上で比較テストを実施しましょう。

ひとつのASINに対して同時に複数のテストを実行できない

比較テスト（ABテスト）は、ひとつのASINに対して、1度に実施できるのはひとつの項目のみです。たとえば、商品名のテストをしながら商品画像のテストを実施することはできません。

複数の項目を比較したい場合は、ひとつの項目のテストが終了してから、別の項目のテストを実施する必要があります。

ガイドラインに違反しているコンテンツは比較できない

比較テスト（ABテスト）は、ガイドラインを遵守しているコンテンツが対象であるため、ガイドライン違反がある場合は比較できません。

Amazonでは、商品名や商品画像、商品紹介コンテンツ（A+）などについて、それぞれガイドラインを定めています。

各項目に関するガイドラインの主な内容は、以下の通りです。

項目	主なガイドライン内容
商品名	・カテゴリごとに定められている商品名のガイドラインを順守する。
商品画像	・鮮明でわかりやすい ・商品の情報が充実している
商品紹介コンテンツ（A+）	・商品についての情報を記載する ・連絡先情報や外部URLを記載しない ・価格に関する情報を記載しない ・配送に関する情報を記載しない
商品仕様	1000文字未満 ※推奨
商品説明	・商品の特徴と利点を説明する ・競合他社については記載しない

Amazon 比較テスト（ABテスト）を効果的に活用する2つのポイント

Amazonの比較テスト（ABテスト）を利用することが目的になってしまうと、必要な検証データを得られない場合があります。効果的な比較検証をするためには、以下のポイントを実践しましょう。

• 比較する目的を明確にする
• 大きく異なるコンテンツを比較する

比較する目的を明確にする

比較テスト（ABテスト）を実施する際は、あらかじめ目的を明確にしましょう。目的が曖昧だと比較テストを実施すること自体が目的になってしまい、抽出できたデータをうまく活用できないケースが多いです。

「商品名を最適化したい」「商品画像のパターンを見つけたい」など目的が定まっていると、データを効果的に活用できます。比較テストで利用可能なコンテンツの中で、課題を感じているコンテンツを絞り込むのがポイントです。

大きく異なるコンテンツを比較する

比較テスト（ABテスト）で効果的なデータを得るためには、AパターンとBパターンに明確な差をつくるのがポイントです。

たとえば、商品画像の比較テストをするなら、素材やレイアウトなどを思い切って変えた方がはっきりとしたデータを期待できます。

ただし、やみくもに差をつけても想定したデータが出ないこともあります。仮説を立てた上で、明確な検証結果が出やすいコンテンツを用意しましょう。

参照：Amazonセラーセントラル｜比較テストの作成「良い比較テストとは？」

Amazon 比較テスト（ABテスト）の作成・設定方法

最後に、Amazonの比較テスト（ABテスト）の作成・設定方法を解説します。6つのステップを順番に進め、ABテストをスタートしましょう。

1. セラーセントラルで比較テストページを開く
2. 「新規の比較テストの作成」から検証したい項目を選ぶ
3. 参照ASINを選択する
4. A/Bテスト情報を設定する
5. 比較対象パターンを設定する
6. A/Bテストを送信する

1.セラーセントラルで比較テストページを開く

まず、 セラーセントラルのメニューからブランド＞実験の管理を選択し、「比較テストの管理」にアクセスします。

2.「新規の比較テストの作成」から検証したい項目を選ぶ

次に、「新規の比較テストの作成」をクリックし、実施したい比較テストのタイプを選びます。

比較テストのタイプは、ドロップダウンメニューで表示される項目から選択しましょう。

3.参照ASINを選択する

比較テストを実施したい項目を選択した後は、テストを行いたいASINを選びます。

「参照ASINを選択」をクリックし、ステップ4の設定画面に進みましょう。

4.A/Bテスト情報を設定する

比較テストを管理するために、テスト情報の詳細を設定します。

比較テストの詳細で入力が必要な項目は、以下の通りです。

• 比較テスト名
• 仮説 ※任意
• 比較テストの期間
• 開始日・終了日

5.比較対象パターンを設定する

比較対象パターンとして、5つのコンテンツからひとつ選択し、項目に合わせて設定を行いましょう。

各項目での設定方法は、以下の通りです。

項目	設定
商品名	比較したい商品名を入力
商品紹介コンテンツ（A+）	比較したいコンテンツを選択
商品画像	比較したい画像をアップロード
商品仕様	比較テストを実施する商品仕様を入力
商品説明	比較テストを実施する商品説明を入力

6.A/Bテストを送信する

最後に、設定した比較テストの内容をAmazonに送信します。Amazonで審査を実施し、コンテンツに問題がなければ、比較テストが開始される仕組みです。

審査で通らなかった場合は、不合格だった理由が届くため、コンテンツを修正した上で再度比較テストを送信しましょう。

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まとめ：Amazon 比較テスト（ABテスト）でコンテンツを最適化しよう

Amazonの比較テスト（ABテスト）では、商品名や商品画像などのコンテンツを同期間で比較検証できます。

比較検証の手間を抑えつつ、正確なデータを抽出できるだけではなく、データの蓄積によって消費者に響くコンテンツのパターンを掴めるのがポイントです。

Amazonの比較テスト（ABテスト）を積極的に活用し、コンテンツの最適化によって売上アップや集客を実現しましょう。