Amazon出品手数料は高い？販売にかかる費用を種類別に解説

Amazonに商品を出品するなら、事前に理解しておきたいのが「出品にかかる費用・手数料」です。

Amazon運用には、初期費用を始め様々なコストが発生します。これらのコストが大きくなると「思っていたよりも利益が出ない」といった事態を招きかねません。

利益を最大化するためにも、かかる費用は全て把握しておきましょう。

この記事では、Amazonの出品にかかる4種類の費用・手数料を解説します。出品方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

Amazon出品の手数料・費用は4種類

Amazon出品には、以下4種類の主要な手数料・費用がかかります。

• 出品プランの費用
• 販売手数料
• 配送料
• その他の費用

初期費用だけでなく、運営していくうえで継続的な費用が発生します。これらの費用を把握したうえで、出品の意思決定や運営方針を決めていくことが大切です。

各手数料についての詳細は、下記で具体的に解説します。

【Amazon出品手数料・費用その1】出品プランの料金

Amazonは、出品者のニーズに応じて以下2種類の出品プランを提供しています。

プラン名	費用
大口出品	・月額4,900円（税別）※基本成約料なし ・販売手数料
小口出品	・販売された商品1点ごとに100円（税別）の基本成約料 ※月額料金なし ・販売手数料

大口出品と小口出品では、毎月の費用に加えて出品可能な商品数などが異なります。出品する商品と見込んでいる販売数に応じて、適切な出品プランを選択してください。

各種手数料をはじめとしたデータを確認できる「Amazonペイメントレポート」については、以下の記事で解説しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。

大口出品プランの特徴

大口出品プランには、以下のような特徴があります。

• 月額4,900円（税別）の固定費がかかる
• APIやレポートなど、詳細な出品用ツールが使用可能
• ショッピングカートボックスの利用資格を獲得できる
• 商品の広告を出せる
• Amazonカタログにない商品の新規登録・出品ができる
• 出品者側で配送料を設定できる

大口出品プランは月額4,900円（税別）の固定費がかかりますが、多くの販売を見込んでいる方に適しています。目安として、月に50点以上の商品を販売予定の方は、大口出品プランを選ぶと良いでしょう。

また、大口出品プランにするとオリジナル商品を出品できるため、自社ブランド商品を出品したい方におすすめです。ショッピングカートやFBAなどのセールスアップサポートも含まれており、売上向上が期待できます。

小口出品プランの特徴

小口出品プランには、以下のような特徴があります。

• 月額料がかからない
• 1点売れることに基本成約料が100円かかる
• 49点以下の少数販売に適している
• 出品に制限がある

小口出品プランの手数料は商品が売れた時にのみ発生するため、少量の販売や出品する商品を決めていない方に最適です。

ただし、小口出品プランの販売可能カテゴリーには制限があり、取り扱えない商品があることも考慮しておきましょう。

【Amazon出品手数料・費用その2】販売手数料

Amazonで販売する各商品には、大口出品・小口出品いずれにおいても、商品が売れるたびにカテゴリーに応じた手数料が発生します。

下記は、Amazon公式HPに掲載されているカテゴリーごとの販売手数料の一部です。

カテゴリー	販売手数料の割合	最低販売手数料	商品タイプ
本	15％	なし	本、カレンダー、雑誌、その他出版物
CD・レコード	15％	なし	CD、カセットテープ、レコード、その他録音された音楽
エレクトロニクス（AV機器&携帯電話）	8％	30円	カメラ、望遠鏡
カメラ	8％	30円	カメラ、望遠鏡
パソコン・周辺機器	8％	30円	デスクトップ、ノートPC、ドライブ、ストレージ
楽器	10％	30円	ギター、キーボード、バンド&オーケストラ、録音機器、楽器周辺機器
スポーツ&アウトドア	10％	30円	アウトドア用品、スポーツウェア、自転車
TVゲーム³	15％	なし	ゲーム機、ゲーム機用ゲーム、PC用ゲーム/周辺機器
文房具・オフィス用品	15％	30円	オフィス用品、オフィス電子機器
大型家電	8％	30円	キッチン家電、冷蔵庫、キッチンパーツ/アクセサリ

その他のカテゴリーごとの販売手数料は、こちらのAmazon公式HPで確認してください。

【Amazon出品手数料・費用その3】配送料

Amazonの配送料は、フルフィルメント by Amazon（FBA）を利用するか、自社で発送するかによって異なります。

それぞれの具体的な違いを、確認しておきましょう。

• FBAを利用する場合の費用
• 自社発送する場合の費用

FBAを利用する場合の費用

FBA（フルフィルメント by Amazon）とは、Amazonが出品者に代わって商品の在庫管理、梱包、出荷、カスタマーサービス、返品処理などの配送業務を担当するサービスです。

FBAは24時間年中無休で稼働し、注文が入るとAmazonが発送業務を行います。これにより、出品者は配送業務を一切行う必要がなく、在庫保管スペースやコストなどを削減可能です。

このように非常に便利なFBAですが、利用の際には以下6つの手数料がかかります。

• 在庫保管手数料
• 配送代行手数料
• 返送/所有権の放棄手数料
• 長期在庫保管手数料
• 納品不備受領作業手数料
• 購入者返品手数料

上記の中でも特に意識すべきなのが、「在庫保管手数料」「配送代行手数料」です。

在庫保管手数料とは、Amazonの倉庫に商品を保管するための費用のこと。手数料は、1日平均の在庫容量（立方メートル）に基づいて計算され、商品サイズ、商品カテゴリー、時期によって異なります。

配送代行手数料とは、Amazonが商品の発送業務を代行することによる費用です。その内訳は商品1点あたりの注文商品のピッキングと梱包、配送となります。

FBAの各手数料については、こちらの記事で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。

自社発送する場合の費用

自社発送の費用は、大口出品と小口出品によって異なります。

大口出品の出品者は、自社で配送料の設定が可能です。

一方で、小口出品の出品者は、Amazonが設定した配送料を全商品に適用しなければなりません。配送にかかるコストがAmazonの定めた料金を下回る場合は利益となりますが、上回る場合は出品者が差額分を負担する必要があります。

そのため、小口出品の場合は「利益を確保できるような販売価格」の設定が重要です。下記が、小口出品に適用される日本国内の配送料になります。

本	262円
CD、レコード	356円
ビデオ	398円
DVD	356円
TVゲーム	356円
PCソフト&コンピューターゲーム	356円
おもちゃ＆ホビー	524円
ドラッグストア	524円
ベビー＆マタニティ	524円
その他のカテゴリー	472円+53円(1kgあたり)

参照元：Amazon｜出品にかかる費用

Amazon出品でかかるその他手数料・費用

上記でご紹介した費用以外にも、以下のような費用がかかる場合もあります。

• 返金処理手数料
• 販促費用
• カテゴリー成約料
• 大量出品手数料

返金処理手数料

返金処理手数料は、一度購入された商品が返品された際に適用される手数料です。

具体的な流れとしては、まずAmazonがユーザーに商品の返金を行い、その後、出品者の支払った販売手数料がAmazonから返金されます。ただし、その際に返金処理手数料として、500円または販売手数料の10％の金額の小さい方が、返金される販売手数料から差し引かれます。

返金額のすべてが口座に戻るわけではないため、返品リスクも考慮した商品の価格設定が求められます。

販促費用

Amazonでの売上を拡大するには、商品を多くのユーザーに知ってもらうための販促費用が必要です。

促進費用として、以下のようなものが挙げられます。

• 広告費
• クーポン
• ポイント

広告費

Amazon広告は、商品の販売促進に効果的です。Amazon内で出稿できる広告は以下の3種類で、それぞれ特徴は異なります。なお、Amazon広告は大口出品者であることが利用条件です。

	最低出稿料金	課金形式	費用
スポンサープロダクト広告	なし	クリック課金	1クリックあたり数円〜数百円
スポンサーブランド広告	なし	クリック課金	1クリックあたり数円〜数百円
スポンサーディスプレイ広告	なし	クリック課金または、1,000件当たりのビューアブルインプレッション単価 ※ビューアブルインプレッション単価は、「入札額の設定」でリーチ最適化を選択した場合のみ	1クリックあたり数円〜数百円

Amazon広告の費用についての詳細は、こちらの記事を参照ください。

クーポン

クーポンやプロモーションコードの発行も、商品の販売促進に効果的です。特定の商品を割引価格で提供することで、売上の増加が期待できます。

ただし、設定したクーポンが利用されると、一回あたり60円の引換手数料が発生します。したがって、クーポンの予算を設定する際には、手数料分も考慮した検討が必要です。

ポイント

AmazonポイントはAmazonで対象商品を購入した際に付与され、Amazon内での買い物で1ポイント1円として使用可能です。

ポイントの付与は出品者が自由に設定できますが、その分のコストは出品者が負担します。

例えば、100ポイントを付与した場合、100円のコストとなります。

ただし、Amazonポイントを設定して商品を販売すると、売上合計額からポイントの分を引いた額に対して販売手数料が適用されるため、実質的に販売手数料が低くなるというメリットもあります。

ユーザーに対して商品の魅力を高めるだけでなく、販売手数料の削減効果も見込めるポイント付与は、出品者にとっては魅力的なオプションと言えるでしょう。

カテゴリー成約料

カテゴリー成約料とは、特定のカテゴリー（本やCDなどメディア商品）の販売において発生する手数料です。小口出品、大口出品のいずれの場合も、商品ごとにカテゴリー成約料が発生します。

商品タイプ	販売手数料	カテゴリー成約料（国内）
本	15％	80円
CD・レコード	15％	140円
DVD	15％	140円
ビデオ（VHS）	15％	140円

全ての商品に発生する手数料ではありませんが、上記カテゴリーの商品を取り扱う際はコストとして計算に入れておきましょう。

大量出品手数料

大量出品手数料とは、出品中のメディア以外のSKUの数に応じて毎月請求される手数料です。

これらの商品のカタログ管理コストを補填するための費用として、SKU数が200万点を超えた場合に1SKUにつき0.05円が月額手数料としてかかります。

ただし、最初の200万件までの出品に関しては、この手数料が免除されます。

大量に商品を出品する販売者は、売れ行きの悪い商品の在庫を定期的に見直すことも必要となるでしょう。

Amazonに商品を出品する方法

Amazonに出品する際の手順は、以下の通りです。個人、法人、いずれも場合も共通となります。

1. Amazon出品用のアカウントを作成する
2. 出品者プロフィールを設定する
3. Amazonに出品したい商品を登録する
4. 注文の入った商品を発送する

出品用アカウントを作成するには、以下の8点が必要です。事前に準備しておきましょう。

• 身分証明書（顔写真付き）
• 180日以内に発行された銀行取引先明細書
• クレジットカード
• 銀行口座
• 電話番号
• メールアドレス
• 登記簿謄本（法人のみ）
• 特定商取引法に基づく住所・電話番号

以下の記事ではAmazon出品の各手順を詳しくまとめていますので、併せて参考にしてください。

Amazonの出品サポートに強い運用代行・コンサルティングはこちら！

Amazonで商品を出品するためには、さまざまな設定や作業が必要になるため、リソースが不足している場合にスムーズな出品が難しくなります。

また。商品画像をはじめとしてルールが定められているため、健全な運用を実現するためには出品に関する知識も欠かせません。

• どの出品方法が適しているかわからない
• FBAを利用するためにリソースを確保したい
• 商品登録の手間を削減したい
• 売れる商品画像をつくりたいが、作成ノウハウが足りていない

上記のような悩みを抱え、運用代行・コンサルティングの検討で行き詰っている方は、以下の記事に出品をはじめとした各種業務を代行・コンサルティングしている会社をまとめているので、ぜひ検討に役立ててください。

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まとめ：Amazon出品の手数料・費用を理解してコストを管理しよう

Amazon出品でかかる主要な費用・手数料は、以下の4種類です。

• 出品プランの費用
• 販売手数料
• 配送料
• その他の費用

各費用の詳細を理解したうえで、ぜひ計画的な出品を検討してください。