Amazonでの在庫切れには要注意！原因・リスク・対策まで詳しく解説

Amazonで売上を伸ばす上で、在庫切れは非常にマイナスの影響があります。在庫切れは消費者が商品を購入できなくなるだけではなく、カートボックスの未獲得や検索順位の低下などにつながり、長期的に売上や集客に悪影響が出るおそれがある点に注意が必要です。本記事では、Amazonにおける在庫切れのリスクや対策を詳しく解説します。

Amazonで在庫切れを起こす2つの原因

Amazonで在庫切れを起こす主な原因は、大きく分けて以下の2つです。

• 在庫管理ができていない
• 突発的な注文殺到に対応できなかった

在庫管理ができていない

在庫切れを起こす典型的なパターンは、在庫管理が不十分なケースがあります。

自社発送のみで対応している場合、商品在庫は常に自社で全数管理しておく必要があります。入庫数・出庫数の計上はもちろん、売上予測を立てて、商品を発注するなども在庫管理の一環です。

商品がどの程度売れるか予測できていないと、商品の追加発注や生産サイクルを調整できず、在庫切れを起こしてしまう恐れがあります。

さまざまな要因を考慮し、売れそうなタイミングがやってくる前に、しっかりと在庫を確保する必要があります。

また、商品の保管状況によっては、劣化が起こり、商品として発送できない状態になっている可能性もあります。

季節トレンドやAmazonのイベントなどを考慮し、適切な在庫数量を管理できていないと、気づいたときには在庫切れを起こしているでしょう。

突発的な注文殺到に対応できなかった

在庫管理や売上予測を立てていたとしても、SNSのバズりなどで突発的に予想を上回る注文が入るケースもあります。

一度に多くの商品が売れるのはEC運用で喜ぶべきことですが、一時的でも在庫切れは好ましくありません。

興味をもったユーザーが購入できない状態は機会損失になり、Amazon運用へ悪影響を与えるリスクが増えてしまいます。

必要以上の在庫をもつことは経営の圧迫につながりますが、突発的な需要に備えてある程度の余力をもって在庫管理をしましょう。

また、もしもの時は予約販売の機能を活用するのもひとつの手です。

Amazonにおける在庫切れで発生する5つのリスク

Amazonで在庫切れを起こすと、次のような問題が生じます。

• 販売機会の損失
• カートボックスが獲得できない
• Amazon SEOへの悪影響
• 商品のランキングの低下
• 広告の非表示・停止

販売機会の損失

Amazonに限ったことではありませんが、在庫切れの期間は商品を販売できないため、商品ページを訪れたユーザーは購入できず、販売機会の損失につながります。

カートボックスが獲得できない

Amazonの商品ページのファーストビュー画面で「カートに入れる」「今すぐ買う」というボタンを選択すると、複数の出品者がいる中で、カートボックスを獲得している出品者の商品がそのままユーザーのカートに入ります。

ユーザーにとって少ないアクションで購入できるため、カートボックスの獲得は非常に重要です。

カートボックスを獲得するためには、注文不良率やキャンセル率など、在庫に関しての数値基準を満たす必要があります。そのため、競合よりも優位性のある価格を設定したり、送料無料にしたりすることでカートボックス獲得のための対策をしていたとしても、在庫切れを起こすだけでカートから外れてしまいます。

カートボックスからの購入は多く、売上への影響が大きいので、在庫切れによる損失は防がなければいけません。

もしもの時は予約販売も活用し、カートを維持しましょう。

Amazonのカートボックスについては、以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

Amazon SEOへの悪影響

Amazonは、在庫切れの商品を検索結果に表示しません。検索結果に自社商品が表示されないことにより、競合商品が売れやすくなってしまいます。

自社商品の在庫が戻ったとしても在庫切れの間に競合商品の販売実績が大きくなっている影響で、SEO順位を戻すことが困難になる場合もあります。

また、Amazonが公言しているように、検索順位のアルゴリズムには在庫数量も関与しています。在庫切れにより検索順位低下の状況が発生するため、在庫を確保し続けることは非常に重要です。

Amazon SEOについては以下の記事で解説しているので、重要な要素や対策を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

商品のランキングの低下

Amazonでは「人気の商品」や「売れ筋ランキング」など、商品の販売数によって変動するランキングがあります。

商品在庫が切れている間は販売実績がゼロになり、競合商品の販売数が増えやすくなるため、ランキングが大幅に下落する可能性が高いです。

またAmazonの各カテゴリにおいて売れ筋1位を獲得している場合は、商品ページや検索結果上でベストセラーのタグが表示されることがありますが、ランキングから外れることによりこのタグも競合に取られてしまいます。

在庫を確保し再出品したとしても、SEOやランキングで上位に掲載されにくくなっているため、元々のポジションに戻るためには時間がかかります。

広告の非表示・停止

Amazonで在庫切れを起こすと商品ページが表示されないため、Amazon内で出稿できるスポンサープロダクト広告・スポンサーブランド広告・スポンサーディスプレイ広告が非表示されます。

商品詳細ページや検索結果ページなどにスポンサー広告が表示されなくなり、集客や売上に影響を及ぼすでしょう。

ただし、非表示になったからといって、在庫を確保できるまで停止する必要はありません。停止によってインプレッションやACoS（広告売上高比率）などの数値が落ちる傾向にあり、元のパフォーマンスに戻すのに時間がかかるので、自らキャンペーンを停止するのは避けましょう。

Amazonの広告運用や費用などは以下の記事で解説しているので、広告運用で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

Amazonで在庫切れした・しそうな場合の対策・復活方法

Amazonで在庫切れを起こした場合や、起こしそうになった場合には、以下のような対応を実施しましょう。

• 商品を再入荷する
• 入荷予定日を設定する

商品を再入荷する・復活させる

まずは何より在庫切れを解消するために、商品を確保し直します。

必要な在庫を取引先に発注したり、工場・倉庫から仕入れたりするなど、早めに商品を確保しましょう。在庫切れになっている場合や在庫切れが見込まれる場合には、なるべく早急に納品できるよう交渉を進めるのがポイントです。

入荷予定日を設定する

商品が在庫切れになりそうな段階で、入荷予定日を設定しておくのも有効な手段です。入荷日を設定できる「予約注文」は、出品者出荷の商品で利用できます。

入荷予定日を設定することによって、商品ページが非表示になってしまうことを防ぎ、注文を受け付けることができます。在庫を切らしてしまった場合も、商品が出庫できる見込みが立った段階で、Amazon内で商品の入荷予定日を設定しましょう。

入荷予定日の設定は、セラーセントラルの画面左上の三本線アイコンから、在庫内「全在庫の管理」を開きます。

該当商品の「詳細の編集」を選択し、出品情報内の「商品の入荷予定日」に、出庫できる予定の日付を入力して保存しましょう。

なお、FBA出荷の場合、予約注文の方法として利用できるのは「FBA商品発送前受注」です。「FBA商品発送前受注」による予約注文は、納品プラン作成時の配送業者の設定によって以下の2つに分けられるため、FBAを利用している方はあらかじめ確認しましょう。

• パートナーキャリア（ヤマト宅急便）を配送選択した場合：納品プラン作成後、FBA商品発送前受注の設定も自動設定される
• パートナーキャリア以外の配送を選択した場合：納品プラン毎にFBA納品前受注の設定ができる

Amazonで在庫切れを起こさないために徹底すべきこと4つ

Amazonで商品を販売する際に在庫切れを起こさないようにするためには、次の4点に注意を払いましょう。

• 売上予測に基づいた在庫管理を徹底する
• 適正在庫を保つために納期管理を徹底する
• 在庫に応じて広告出稿量を調整する
• セール期間や繁忙期はFBAと自社発送を組み合わせる

売上予測に基づいた在庫管理を徹底する

在庫切れを起こさないために、販売予測に基づいた在庫管理を徹底できるのがベストです。

通年で需要を見込めるアイテムであれば、毎月の販売数や需要を予測し安全在庫を確保できるように在庫量を調整しましょう。

季節商品やイベント商品は、シーズンが始まる前に多く売れるため、その前の段階でしっかりと在庫を確保しておく必要があります。

在庫チェックと仕入れのサイクルをあらかじめ決め、適正在庫を維持できる体制を整えましょう。

適正在庫を保つために納期管理を徹底する

Amazonで在庫切れを起こしたくないからといって、在庫を持ちすぎるとキャッシュフローが悪くなったり、保管料金がかかりすぎてしまうなどの理由で、経営を圧迫するおそれがあります。売り切れが起きづらく、在庫管理コストが最小限になる在庫を維持するのがポイントです。

基本的なリードタイムを押さえつつ、普段よりも多く売れるケースや何らかの理由で発送が遅延するリスクに備えて、早めの発注・納品が重要です。

とくにAmazonの大型セール前は多くのセラーがFBA納品を行うため、FBA側での納品作業に通常より時間を要します。納品が間に合わないケースを避けるため、セールの1~2ヶ月前にはセールでの予定販売数も含めて納品完了させておくことがおすすめです。

在庫に応じて広告出稿量を調整する

リードタイムを間違えた場合や、商品の入庫が遅延する場合は、今ある在庫を「あまり買い手がつかない状態」にしておくという手段もあります。

たとえば、広告出稿量を抑えることでアクセスが減少するため、販売ペースを遅くすることができます。

とにかく「在庫切れの状態を生まない」ことが大切なので、納品完了するまでに在庫切れとならないよう広告配信の調整もしていきましょう。

セール期間や繁忙期はFBAと自社発送を組み合わせる

Amazonプライムデーをはじめとしたセールやクリスマス商戦など、注文が増えやすいタイミングでは、通常よりも在庫切れが生じやすくなります。

そのため、FBA在庫が切れた場合は自社配送に切り替えてでも販売を続けられるようにしましょう。

AmazonのFBAについては以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

Amazonの在庫切れ対策をはじめとした売上アップに強い運用代行・コンサルティングはこちら！

Amazonの売上を高めるためには、Amazonの仕組みを理解したり、各種機能を駆使したりするなど、知識や運用スキルが求められます。EC事業を成長させるためには地道な取り組みも必要になるので、継続的に施策を実践するリソースも欠かせません。

そのため、下記のような悩みを抱えている出品者の方も多いのではないでしょうか。

• 機会損失を防ぐために在庫切れ対策を講じたい
• 売上につながる画像や商品ページなどのコンテンツをつくりたい
• セールで売上を最大化したい
• 効果的なSEO対策で、商品の露出を増やしたい
• カートボックスを獲得したい

上記のような課題をもち、運用代行・コンサルティングの検討で行き詰っている方は、以下の記事に売上アップをはじめとした各種サポートを代行・コンサルティングしている会社をまとめているので、ぜひ検討に役立ててください。

Amazonの在庫切れ対策・運用代行は『しるし株式会社』へ！

まとめ：Amazonでの在庫切れは絶対に回避しよう

Amazonで在庫切れを起こすと、自社の売上が低下するのはもちろんですが、それ以上にユーザーからの信用を失ってしまいます。

加えて、Amazon SEOへの悪影響やランキングの低下、広告の非表示などにつながり、Amazonでの販売に長期的なダメージを与えかねません。

在庫切れを絶対に起こさないように在庫・納期管理を徹底し、在庫切れを起こしそうになったときには再入荷を急ぎ、あらゆる対策で在庫切れリスクを最小限に減らしましょう。