楽天市場出店の流れや費用を解説！メリット・デメリットも

ECモールへの出店先として楽天市場を検討している方の中には、出店方法や費用が気になっている方がいるのではないでしょうか。楽天市場には複数の出店プランがあり、出店審査に通過する必要があります。本記事では、楽天市場の出店プラン・費用や出店するメリット・デメリットなどを詳しく解説します。

楽天市場の出店プラン【初期費用・月額料金・各種手数料】

楽天市場に出店するうえで、3つのプランから自社にあったプランを選ぶ必要があります。楽天市場の出店プラン・費用は、以下の通りです。

	がんばれ！プラン	スタンダードプラン	メガショッププラン
初期登録料	60,000円
月額料金	19,500円	50,000円	100,000円
システム手数料	パソコン：3.5～6.5％ モバイル：4.0～7.0％	パソコン：2.0～4.0％ モバイル：2.0～4.5％	パソコン：2.0～4.5％ モバイル： 2.5～4.5％
楽天ポイント	楽天会員の購入代金（税抜）×付与率（通常1.0％）
楽天スーパーアフィリエイト	アフィリエイト経由売上の2.6～5.2%
モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料	月間売上高の0.1％
R-Messe	3,000円～/月
楽天ペイ利用料	月間決済高の2.5%～3.5%

各プランの特徴と費用を詳しくチェックしていきましょう。

がんばれ！プラン

月額料金	19,500円
契約期間	1年
登録可能商品数	5,000商品まで
画像容量	500MBまで
システム手数料	パソコン：3.5～6.5％モバイル：4.0～7.0％

がんばれ！プランは、ネットショップ運営の経験が少ない事業者向けのプランです。3つのプランの中では、登録可能商品数や画像容量が少ないため、小規模な運営に向いています。

システム手数料は、スタンダードプランやメガショッププランより高いため、規模に応じてプランを切り替えるのがおすすめです。

スタンダードプラン

月額料金	50,000円
契約期間	1年
登録可能商品数	20,000商品まで
画像容量	5GBまで
システム手数料	パソコン：2.0～4.0％モバイル：2.0～4.5％

スタンダードプランは、月商約140万円以上を目指している事業者向けのプランです。がんばれ！プランに比べて、登録可能商品数と画像容量が多いため、より多くの商品を出品できます。

メガショッププラン

月額料金	100,000円
契約期間	1年
登録可能商品数	無制限
画像容量	無制限
システム手数料	パソコン：2.0～4.5％モバイル： 2.5～4.5％

メガショッププランは、商品数が多い大規模事業者向けのプランです。登録可能商品数と画像容量は無制限で、上限を気にせず商品や画像を登録できます。

ただし、初期設定はスタンダードプランと同じで、登録可能商品数は5,000商品まで・画像容量は5GBまでです。上限を超えて登録したい場合は、商品数・容量アップの申請が必要になります。

プラン共通の料金

初期登録料	60,000円
楽天ポイント	楽天会員の購入代金（税抜）×付与率（通常1.0％）
楽天スーパーアフィリエイト	アフィリエイト経由売上の2.6～5.2%
モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料	月間売上高の0.1％
R-Messe	3,000円～/月
楽天ペイ利用料	月間決済高の2.5%～3.5%

初期登録料や各種サービス利用料が、全プラン共通で発生します。

楽天市場では、楽天ポイントや楽天ペイ、楽天スーパーアフィリエイトなどのサービスを提供しており、それらを利用するための手数料がかかる仕組みです。

各手数料の詳細は以下のページで解説されているため、ぜひ一度確認してください。

サービス・料金詳細｜楽天市場 出店案内

楽天市場に出店する4つのメリット

楽天市場に出店するメリットは、以下の4つです。

• 集客力が高い
• 大規模なセールで売上拡大を狙える
• 販促ツールでリピーターを増やせる
• 店舗サポートが充実している

集客力やセールなどメリットが多くあるため、最大限に活用して売上アップを実現しましょう。

集客力が高い

楽天市場の利用に必要な楽天ID数は1億以上（2023年6月時点）を誇り、圧倒的な知名度や利用者数をショップの集客に活かせるのがメリットです。

インターネット通販市場全体で29.0％のシェアを獲得しており、より多くのユーザーがショッピングに利用しています。

カテゴリ別のシェアも高く、以下のような割合でシェアを獲得しています。

カテゴリー	シェア
生活雑貨	38.8％
アパレル	36.3％
食品・生鮮品	34.0％
健康食品	29.1％
化粧品	25.3％
家電製品・パソコン	15.2％

シェアの高いカテゴリーの商品を取り扱っている場合には、より楽天市場の集客力を活用できるでしょう。

大規模なセールで売上拡大を狙える

楽天市場では、大規模なセールやイベントを定期的に開催しているため、うまく活用することで売上アップを狙えます。

楽天市場で開催されている主なセールは、以下の通りです。

セール名	時期
楽天お買い物マラソン	ほとんど毎月
楽天スーパーSALE	3月・6月・9月・12月
楽天ブラックフライデー	11月
楽天イーグルス感謝祭	11月
楽天大感謝祭	12月

セール中に複数のショップで購入することでポイント還元倍率が上がったり、通常よりも大幅に値下げされたりするなど、ユーザーにとってお得なイベントが開催されています。

セール時期は楽天市場へのアクセスが増えるため、時期にあわせた準備によって売上拡大を実現しやすいのがメリットです。

販促ツールでリピーターを増やせる

楽天市場では、はじめて利用したユーザーをショップのファンにするために、さまざまな販促ツールを出店者に提供しています。

主な販促ツールは、以下の通りです。

販促ツール名	概要
R-SNS	複数のソーシャルメディアに企業ページを作成し、ショップページを運営できる機能
送料込みライン	送料無料または送料込みの送料体系を導入できる機能
楽天スーパーロジスティクス	商品を楽天倉庫に預かり、物流を代行するサービス
RaCoupon	対象者や利用期間などを設定して、クーポンを発行できるサービス
定期購入	同じ商品を継続的に届けられる販売方法
頒布会	異なる商品を指定の間隔・回数で届けられる販売方法
商品価格ナビ	型番コード（JANコード）で同じ製品の価格を検索できるツール

ソーシャルメディアの活用や物流代行など、さまざまなツール・サービスが提供されているため、必要に応じて活用しましょう。

店舗サポートが充実している

楽天市場では、出店者を支援するために、2つのサポートを提供しています。

• ECコンサルタント
• 楽天大学

ECコンサルタントとは、ネット販売のプロがパートナーとしてアドバイスや企画の提案などを行うサポートです。店舗運営の課題やユーザー対応に関する相談など、さまざまな状況で心強いサポートを受けられます。

楽天大学とは、オフラインやオンラインでネットショップの運営ノウハウを学べるサポートです。楽天大学サロンやオンライン勉強会などを無料で利用でき、運営に必要な知識を身につけることができます。

楽天市場に出店する2つのデメリット

楽天市場には、集客力や店舗サポートなど多くのメリットがあるものの、注意したいデメリットもあります。

楽天市場に出店するデメリットは、以下の2つです。

• 出店費用・ランニングコストが比較的高い
• プロモーションに制限がある

コストやプロモーションに注意しながら、楽天市場でショップ運営をしましょう。

出店費用・ランニングコストが比較的高い

楽天市場に出店する費用やランニングコストは、他のECモールに比べて高い傾向があります。

大手ECモールであるAmazonとYahoo!ショッピングとの料金比較は、以下の通りです。

ECモール名	楽天市場	Amazon	Yahoo!ショッピング
初期費用	60,000円	無料	無料
月額料金	・がんばれ！プラン 19,500円  ・スタンダードプラン 50,000円 ・メガショッププラン100,000円	4,900円/月（大口出品プラン） ※小口出品プランは商品あたり100円	無料

AmazonとYahoo!ショッピングは初期費用0円ですが、楽天市場で60,000円の出店料がかかります。月額料金も2つのECモールよりも高いため、ランニングコストもかかりやすい点に注意が必要です。。

費用面で少々ハードルが高いため、楽天市場に出店する際は予算を十分に確保する必要があります。

プロモーションに制限がある

楽天市場では、店舗運営においてルール・ガイドラインを定めており、一部プロモーションに制限があります。

完全に自由なプロモーションはできず、万が一違反した場合には、ペナルティが課されるため、十分に注意しましょう。

以下は、楽天市場で定められている禁止事項です。あらかじめ確認しておきましょう。

禁止事項	概要
外部リンク	楽天市場の店舗ページ内に、楽天市場外部へのリンクを貼ることやURLを記載する行為
課金回避行為	店舗ページやメール配信（R-Mail）に「メール、電話、FAXでも注文を受け付ける」と表示するなど、システム利用料等の課金を回避することを目的とする行為
サクラ行為	店舗関係者による自店のレビューへの投稿、ユーザーに混乱や誤解、迷惑を与える行為
画像無断転載	楽天市場の店舗ページ内に、掲載許可の確認できない画像を転載する行為
商品画像登録ガイドラインに反する行為	第1商品画像について、当社指定のルール（テキスト占有率、枠線、背景等）を遵守していない画像を登録する行為

楽天市場にショップを出店するまでの流れ

楽天市場にショップを出店するためには、以下の流れで進めましょう。

1. 出店審査を申し込む
2. RMSアカウントを開設しショップを構築する
3. オープン審査を申し込む
4. オープン審査通過後、ショップ運営をスタートする

参照：開店までの流れ｜楽天市場 出店案内

審査やショップ構築などを行い、楽天市場にショップを出店しましょう。

1.出店審査を申し込む

楽天市場に出店するためには、まず出店審査を申し込む必要があります。

楽天市場の出店案内ページ上部にある「出店申込」をクリックし、必要な情報を入力しましょう。

会社情報	・事業形態 法人または個人事業主 ・会社名 ・本社所在地 ・代表電話番号 ・代表FAX番号 ・代表者名
店舗運営責任者情報	・店舗運営責任者の氏名 ・所属部署（任意） ・郵便物等の送付先住所 ・連絡先電話番号 ・連絡先FAX番号 ・連絡先メールアドレス ・取扱商材ジャンル

入力ができたら、手続きを完了させて審査結果を待ちましょう。

なお、商材によっては事前審査が必要になります。事前商材が必要な商材は以下の通りです。

• 医薬品
• 医療機器
• 医薬部外品・化粧品・健康食品
• ペットフード
• 製造・販売にあたって行政機関にて許可・届出が必要となる食品
• おせち料理セット
• 酒類
• ブランド品
• ブランドノベルティ品
• PCソフトウェア
• 中古品
• 中古携帯通信端末
• 検査キット
• 役務
• 特定小型原動機付自転車
• 定額課金（サブスクリプション）を伴う電子機器
• 回線契約を伴う商品
• 金券類
• メーカー、産地などから購入者へ直送される商品
• 生体　※哺乳類、鳥類、爬虫類は禁止商材

引用：出店審査や取扱商材に関する注意事項｜楽天市場 出店案内

2.RMSアカウントを開設しショップを構築する

出店申込から約2週間から1ヶ月後に審査結果が届き、通過していた場合は、店舗運営システム「RMS」のアカウントを利用できるようになります。

本格的な運営までにはオープン審査に通過する必要があるため、RMSアカウントからショップを構築しましょう。

ショップ構築は楽天市場の店舗オープンアドバイザーがサポートしているため、各種設定やページ作成などに行き詰った場合は気軽に相談しましょう。

3.オープン審査を申し込む

ショップを構築できたら、オープン審査を申し込みましょう。オープン審査とは、ショップをオープンしても問題ないかをチェックする審査です。

4.オープン審査通過後、ショップ運営をスタートする

オープン審査に通過すると、晴れてショップ運営を開始できます。開店後の運営は、ECコンサルタントがサポートしているため、販売戦略や課題解決に悩んだときは気軽に相談しましょう。

楽天市場の出店審査に落ちる主な理由と対策

楽天市場では、出店審査として書類審査とオープン審査が行われます。審査に通過しなければ、販売をはじめられない点に注意が必要です。

楽天市場の出店審査に落ちる場合には、以下の理由が考えられます。

• 申し込み内容に不備がある
• 開業届の提出または法人登記が完了していない
• 店舗の規模や実績が十分ではない
• 取扱禁止商材やガイドライン違反などがある

審査落ちの理由を押さえたうえで、適切な対策で審査を通過しましょう。

申し込み内容に不備がある｜記載ミスがないか確認する

出店申込で落ちる場合は、申し込み内容の不備が原因と考えられます。

申請フォームでの入力ミスや書類の記載ミスが考えられるため、不備がないか確認し、問題がない状態で提出しましょう。

開業届の提出または法人登記が完了していない｜各種手続きを済ませる

楽天市場は、個人事業主または法人のみが出店できるため、開業届の提出や法人登記が完了していないと、個人と見なされて審査に落ちてしまいます。

個人の場合は、副業では出店できないため、管轄の税務署に開業届を提出して個人事業主になりましょう。

法人の場合は、法人登記を済ませる必要があるため、楽天市場を出店する前から計画的に手続きを進める必要があります。

店舗の規模や実績が十分ではない｜実績を積んでから出店申請する

楽天市場の審査では、店舗の実績や知名度などが基準のひとつといわれているため、初出店や開業間もないタイミングでは審査に落ちやすくなります。

他のECモールで実績を積み上げたり、実店舗でよい評判を集めたりするなど、実績や知名度をアピールできるようにしましょう。

取扱禁止商材やガイドライン違反などがある｜規約を遵守する

楽天市場では、取扱禁止商材やガイドラインを定めているため、それらに該当・違反する場合には審査に落ちてしまいます。

以下の商材は楽天市場で禁止されているため、審査に通過できません。

商材	具体例
法令で販売・所持が規制されているもの	・銃砲類、刀剣類 ・麻薬、覚せい剤、向精神薬等の薬物 ・盗品 ・医薬品成分を含む健康食品、高度管理医療機器の承認を得ていないコンタクトレンズ ・ワシントン条約、種の保存法等の条約・法令により取引が規制されている動植物 ・不正改造自動車・バイク ・PSCマークのないレーザーポインター、PSEマークのないモバイルバッテリー等、法令が定める規格・基準に適合していることが確認できない商品 ・児童ポルノ
公序良俗、モラルに反するもの	・使用済の下着、制服、水着、体操服等 ・盗撮写真、盗撮ビデオ、盗撮機器 ・犯罪方法やテロ行為の手引、その他犯罪性の高い商品、犯罪を誘発するおそれのある商品 ・モザイク除去機器 ・暴力団、不良集団、テロ組織、暴走族等に関係する商品 ・グロテスクな商品、その他嫌悪感・不快感を与える商品
商品に関する契約等で譲渡・転売が禁止されているもの	・預貯金や証券の口座、預貯金通帳、クレジットカード、キャッシュカード、ローンカード等 ・開通済の携帯電話、PHS、ボケットベル
悪用されるおそれのあるもの	・印影から印章を作成するサービス ・免許証、パスボート、健康保険証等の身分証明書 ・個人情報、それらの情報が含まれた媒体(名簿、住民票等)、IDやパスワード ・官公庁・企業の入館証、社員証、役職や身分を示すバッジ、制服等
青少年の保護育成上好ましくないもの	・アダルトグッズ ・性風俗店の宣伝広告、チケット等 ・青少年の保護育成上好ましくないビデオ、DVD、写真集、ゲームソフト、書籍、雑誌
危険なもの	・爆発物、高圧ガス等の危険物 ・毒物、劇物 ・スタンガン、催涙スプレー、警棒等、武器として使用されるおそれのあるもの
他人の権利・利益を侵害する可能性のあるもの	・偽ブランド品、レプリカ、ブランド品のリメイク品や類似品、真正品であると証明できない商品 ・「ヴィトン風」、「エルメスタイプ」、「○○調」等と表記して販売される商品 ・CD・DVD・ビデオ・ソフトウェアの違法コピー等の著作権を侵害する商品 ・無断で撮影したブロマイド、無許可でタレント画像等を使用した商品等、肖像権、パブリシティ権を侵害する商品 ・他人の名誉、信用を毀損する商品・スクランブルキャンセラー、コピーガードキャンセラー
その他不適切と判断したもの	・根拠のない「金運上昇」や「波動」等、迷信もしくは迷信に類し、または非科学的な表現を用いた商品・宗教色の強い商品(墓石、仏壇等を除く) ・性的機能の強化・改善を目的とするいわゆる精力剤 ・使用期限の切れた医薬品、医薬部外品、化粧品、動物用医薬品、動物用医薬部外品 ・「消費期限」の切れた食品 ・鯨、イルカの部位を用いた製品 ・金地金商品（金の延べ棒、ゴールドバー、金のインゴット等）

店舗運営ガイドラインは、7つに分けて公開されています。オープン審査で重視されるため、規約を遵守した運営ができるように、あらかじめチェックしておきましょう。

楽天市場の運用代行・コンサルティングは「しるし株式会社」へ！

楽天市場の費用やメリット・デメリットを理解して出店を検討しよう

楽天市場に出店するためには、出店審査とオープン審査に通過する必要があります。申し込み内容の不備や事前に必要な手続きなどに注意して、スムーズに出店できるように準備や申請を進めましょう。

楽天市場は集客力が高く、セールや販促ツールで売上拡大を狙えるため、自社商品の売上・利益アップにおすすめのECモールです。出店プランの費用や注意点なども参考にして、楽天市場へのショップ出店を検討してみましょう。