ECサイトとは?種類やメリットから自社に最適な選び方・導入方法まで

ECサイトという言葉を耳にする機会が増え、「自社でも取り組むべきか?」とお考えのメーカーやブランドのご担当者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、ECサイトの基本的な仕組みから、その種類、メーカーやブランドがECサイトを持つことのメリット・デメリット、そして自社に最適なECサイトの選び方や導入ステップまで、ECのプロが分かりやすく解説します。
ECサイトとは?今さら聞けない基本の「き」
ECサイトとは何か、その基本的な定義と、ユーザーが商品を見つけて購入に至るまでの仕組みを解説します。オンライン販売の心臓部とも言えるECサイトの全体像を掴みましょう。
ECサイトの仕組み|オンラインで商品が売れるまで
ECサイトとは、簡単に言えば「インターネット上で商品を販売するためのウェブサイト」のことです。Electronic Commerce(電子商取引)の略で、Eコマースサイトとも呼ばれます。
皆さんが普段Amazonや楽天市場でお買い物をされるように、企業や個人が自社の商品やサービスをオンラインで顧客に直接販売できる場所、それがECサイトです。
では、ユーザーが商品を見つけて購入に至るまで、ECサイトではどのような仕組みが動いているのでしょうか?大まかな流れは以下の通りです。
ユーザーは、検索エンジン(Googleなど)での検索、SNS、広告、口コミなど、さまざまな経路でECサイトにたどり着きます。
ユーザーはサイト内で商品を検索したり、カテゴリを絞り込んだりして、お目当ての商品ページにアクセスします。そこでは、商品の詳細情報、価格、画像、レビューなどを確認します。
購入したい商品が見つかれば、「カートに入れる」ボタンをクリックし、商品を一時的に保管します。
ユーザーは、氏名、住所、連絡先などの個人情報や、配送方法、支払い方法(クレジットカード、銀行振込、代引きなど)を選択・入力します。
入力内容を確認し、注文を確定すると、選択した支払い方法で決済が行われます。
ECサイト側では、注文情報を受け取り、在庫確認、梱包、発送手配といった受注処理を行います。
商品がユーザーのもとへ発送されます。発送通知メールが送られることも一般的です。
ユーザーが商品を受け取り、取引が完了します。その後、レビュー投稿を促したり、次回の購入につながるような情報提供を行ったりすることもあります。
これらの流れをスムーズに行うために、ECサイトにはショッピングカート機能、決済機能、顧客管理機能、商品管理機能などが備わっています。
「Amazonや楽天市場に出品するのとは違うの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
Amazonや楽天市場は「ECモール」と呼ばれる形態で、ECサイトの一種ではありますが、自社で独自に運営するECサイトとは異なる特徴があります。この違いについては、後ほど詳しく説明します。
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ECサイトの種類|自社に最適なのはどっち?
ECサイトには、大きく分けて「自社ECサイト」と「ECモール」の2種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが自社に適しているかは事業の目的や規模によって異なります。
それぞれの特徴を理解し、最適な選択をするためのポイントを押さえましょう。
自由度とブランド構築なら「自社ECサイト」
自社ECサイトとは、企業が独自のドメインを取得し、自社で企画・構築・運営するオンラインショップのことです。いわば、インターネット上に構える自社専用の店舗のようなものです。
メリット:
- 高いデザインの自由度: サイトのデザインやレイアウト、コンテンツの配置などを自由にカスタマイズできます。これにより、ブランドの世界観を存分に表現し、顧客に強い印象を与えることができます。例えば、特定の色使いやフォント、写真のテイストなどを統一することで、ブランドイメージを効果的に訴求できます。
- 独自のマーケティング施策: 顧客データの収集・分析が容易で、そのデータを基に独自のマーケティング施策(例:限定クーポンの発行、会員ランク制度の導入、パーソナライズされたメルマガ配信など)を展開できます。
- 手数料の低減: ECモールに出店する場合に発生する販売手数料や月額利用料などがかからない、あるいは比較的低く抑えられるため、利益率の向上が期待できます。
- 顧客との直接的な関係構築: 顧客情報を直接管理できるため、顧客とのコミュニケーションを深め、長期的なファン育成につなげやすいです。
デメリット:
- 集客の難しさ: ECモールのような既存の集客力がないため、自力で集客する必要があります。SEO対策、Web広告、SNS運用など、さまざまな集客施策を計画的に行う必要があります。
- 初期費用・運営コスト: サイトの構築方法にもよりますが、初期費用や月々の運営・維持費用(サーバー代、ドメイン代、決済システム利用料など)が発生します。また、サイトの更新やトラブル対応なども自社で行う必要があります。
- 運営ノウハウが必要: サイト構築から集客、受注処理、顧客対応まで、幅広い知識とノウハウが求められます。
自社ECサイトは、独自のブランドを確立したい、顧客と深く繋がりたい、利益率を重視したいと考えるメーカーやブランドオーナーにとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
集客力と手軽さなら「ECモール」
ECモールとは、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングのように、多数のショップがひとつの大きなウェブサイト(ショッピングモール)に出店する形態のECサイトです。
百貨店やショッピングセンターのオンライン版をイメージすると分かりやすいでしょう。
メリット:
- 高い集客力: モール自体が持つ圧倒的な知名度と集客力を利用できます。特に大手ECモールは多くのユーザーが日常的に利用しているため、自社の商品が多くの人の目に触れる機会が増えます。「まずは多くの人に商品を知ってもらいたい」という場合に有効です。
- 信頼性の獲得: 有名なECモールに出店することで、顧客からの信頼を得やすくなります。特にEC事業を始めたばかりで知名度が低い企業にとっては大きなメリットです。
- 運営のサポート体制: モール側が決済システムや集客イベント、運営ノウハウの提供など、さまざまなサポートを用意している場合があります。そのため、比較的手軽にオンライン販売を開始できます。
- 初期構築の手間が少ない: ゼロからサイトを構築する必要がなく、用意されたテンプレートやシステムを利用してショップページを作成できます。
デメリット:
- 手数料の発生: 売上に応じた販売手数料や、月額の出店料など、各種手数料が発生します。これが利益を圧迫する要因になることもあります。
- 価格競争の激化: 同じモール内に多数の競合ショップが存在するため、価格競争に陥りやすい傾向があります。「少しでも安くしないと売れないのでは…」というプレッシャーを感じるかもしれません。
- デザイン・機能の制約: モールが定めたルールやテンプレートの範囲内でしかショップページを作成できないため、デザインの自由度が低く、ブランド独自の個性を出しにくい場合があります。
- 顧客データの活用制限: 顧客情報は基本的にモール側が管理するため、自社で自由に収集・活用することが難しい場合があります。
ECモールは、手軽にオンライン販売を始めたい、すぐにでも多くの顧客にアプローチしたい、運営のサポートを受けたいと考えるメーカーやブランドオーナーに適しています。
どちらの形態が自社に合っているか、じっくり検討してみてください。両方を併用するという戦略も考えられます。
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メーカー・ブランドがECサイトを持つべき5つのメリット
ECサイトを持つことは、メーカーやブランドにとって多くのメリットをもたらします。
顧客との直接的な関係構築から、ブランド価値の向上、利益率の改善、そして新たな市場への展開まで、ECサイトが秘める可能性は無限大です。
ここでは、特に重要な5つのメリットを具体的にご紹介します。
顧客と直接つながる!D2Cでブランド価値向上
ECサイトを持つ最大のメリットのひとつは、顧客と直接つながることができる点です。
これはD2C(Direct to Consumer)モデルとも呼ばれ、卸売業者や小売店を介さずに、メーカーが自社のECサイトを通じて直接消費者に商品を販売するビジネスモデルです。
- 顧客の声を直接聞ける: ユーザーからのレビューや問い合わせ、アンケートなどを通じて、商品やサービスに対する生の声を直接収集できます。例えば、商品の改善点や新しいニーズを発見し、次の商品開発に活かすことができます。
- ブランドストーリーを伝えやすい: ECサイトは、ブランドの成り立ちや商品へのこだわり、作り手の想いといったブランドストーリーを伝える絶好の場です。顧客は商品だけでなくブランドそのものに共感し、愛着を持つようになります。
- ロイヤルティの高い顧客育成: 顧客との継続的なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、長期的なファン(ロイヤルカスタマー)を育成できます。リピート購入や口コミによる新規顧客獲得にもつながります。
「ユーザーの顔が見えにくい」という従来の流通形態の課題を、ECサイトは解決してくれるのです。
独自の世界観を表現!ブランディングを強化
自社ECサイトであれば、デザインやコンテンツを自由にコントロールできるため、ブランド独自の世界観を存分に表現できます。
- デザインの統一感: ウェブサイト全体のカラーリング、フォント、写真のトーンなどをブランドイメージに合わせて統一することで、洗練されたブランドイメージを顧客に印象づけることができます。例えば、オーガニック製品を扱うブランドであれば、ナチュラルで温かみのあるデザインを採用する、といった具合です。
- コンテンツの自由度: 商品情報だけでなく、ブランドの歴史、製造工程のこだわり、開発秘話、スタッフの想いなどをブログ記事や動画といった多様な形式で発信できます。これにより、商品の背景にあるストーリーを伝え、ブランドへの理解と共感を深めることができます。
- 一貫した顧客体験の提供: ECサイトのデザインから、商品の梱包、同梱物、アフターサービスに至るまで、一貫したブランド体験を提供することで、顧客満足度を高め、ブランドへの信頼を醸成します。
ECモールでは表現しきれない細部にまでこだわったブランディングが、自社ECサイトなら可能です。
貴重な顧客データを収集・活用して次の一手へ
ECサイトを運営することで、貴重な顧客データや購買データを収集・分析することができます。これは、ビジネスを成長させる上で非常に重要な資産となります。
- 顧客属性の把握: 年齢、性別、居住地域といったデモグラフィック情報や、購入履歴、閲覧履歴、サイト内での行動パターンなどを把握できます。
- 購買傾向の分析: どのような商品が一緒に購入されやすいか(バスケット分析)、どの時期に何が売れるか、リピート購入の頻度はどうか、といった購買傾向を詳細に分析できます。
- マーケティング施策の最適化: 収集したデータを基に、より効果的なマーケティング施策を展開できます。例えば、「30代女性で特定の商品を購入した顧客」に対して、関連性の高い新商品の情報をメールで送る、といったターゲティング広告やパーソナライズされたプロモーションが可能です。
- 商品開発・改善への活用: 顧客のニーズや不満点をデータから読み解き、新商品の開発や既存商品の改善に役立てることができます。
「勘や経験だけに頼ったビジネスはもう古い」と感じているなら、データに基づいた意思決定を可能にするECサイトは強力な武器となるでしょう。
中間マージン削減で利益率アップも期待
従来の卸売や小売店経由の販売では、流通の各段階で中間マージンが発生し、メーカーの利益が圧迫されることが少なくありません。
自社ECサイトで直接販売することで、この中間マージンを削減し、利益率の向上が期待できます。
- 直接販売による利益確保: 卸売業者や小売店に支払っていたマージンがなくなるため、その分が自社の利益となります。
- 価格設定の柔軟性: 自社で価格をコントロールしやすくなるため、市場の状況やブランド戦略に応じた柔軟な価格設定が可能です。ただし、既存の販売チャネルとの兼ね合いも考慮する必要があります。
- 収益構造の改善: 利益率が向上することで、より多くの資金を商品開発やマーケティング、人材育成などに投資できるようになり、事業のさらなる成長につながります。
もちろん、ECサイトの運営にはコストがかかりますが、「自分たちで売る力をつければ、利益構造も変えられる」という点は大きな魅力です。
新たな販路を開拓!全国・海外へビジネス拡大
ECサイトは、地理的な制約を超えて商品を販売できるため、新たな販路を開拓し、ビジネスを拡大する大きなチャンスをもたらします。
- 商圏の拡大: 実店舗だけではアプローチできなかった遠方の顧客や、ニッチなニーズを持つ顧客にもリーチできます。日本全国、さらには海外の顧客もターゲットにすることが可能です。
- 24時間365日販売可能: ECサイトは、実店舗のように営業時間に縛られることなく、24時間365日いつでも商品を販売できます。顧客は好きな時間に好きな場所で買い物を楽しむことができます。
- 海外展開の足がかり: 多言語対応や海外発送、多様な決済手段を導入することで、比較的容易に海外市場への進出も視野に入れることができます。越境ECと呼ばれるこの取り組みは、国内市場の縮小が懸念される中で、新たな成長の機会として注目されています。
「うちの商品は、もっと多くの人に届けられるはずだ」という想いがあるなら、ECサイトはその実現を後押ししてくれるでしょう。
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知っておきたいECサイト運営の注意点と課題
ECサイトは多くのメリットをもたらしますが、その一方で運営にはいくつかの注意点や課題も存在します。
これらを事前に理解しておくことで、より現実的な計画を立て、対策を講じることができます。「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、しっかりと確認しておきましょう。
集客はどうする?SEO・広告戦略の重要性
自社ECサイトを立ち上げただけでは、残念ながらユーザーは自然とやってきてはくれません。最大の課題のひとつが「集客」です。
- SEO対策 (検索エンジン最適化): Googleなどの検索エンジンで、自社の商品や関連キーワードが上位に表示されるようにウェブサイトを最適化する取り組みです。「ECサイト 集客方法」「[商品名] 通販」といったキーワードで検索された際に、自社サイトが目立つ位置にあれば、購入意欲の高い顧客を呼び込めます。これには、専門的な知識や継続的な努力が必要です。
- Web広告: リスティング広告(検索連動型広告)やディスプレイ広告、SNS広告などを活用して、ターゲット顧客に直接アプローチする方法です。費用はかかりますが、即効性が期待できます。予算管理と効果測定が重要です。
- SNS活用: Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSで情報発信し、ファンを増やし、ECサイトへ誘導します。ブランドの世界観を伝えやすく、顧客とのコミュニケーションも図れますが、炎上リスクも考慮に入れる必要があります。
- コンテンツマーケティング: 顧客にとって価値のある情報(ブログ記事、動画、お役立ち情報など)を提供することで、見込み客を引きつけ、信頼関係を構築し、最終的に購買につなげる手法です。時間と手間はかかりますが、長期的な資産となります。
「どうやってうちのサイトを見つけてもらうか?」は、ECサイト運営における永遠のテーマと言えるでしょう。
サイト構築・運営にはコストと手間がかかる
ECサイトの構築と日々の運営には、目に見えるコストと目に見えない手間がかかります。
初期費用:
- サイト構築費: 制作会社に依頼する場合、数十万円~数百万円以上かかることもあります。ASPカートサービスなどを利用すれば比較的安価に始められますが、機能やデザインに制約がある場合も。
- ドメイン取得費・サーバー契約費: 年間数千円~数万円程度。
運営費用:
- プラットフォーム利用料: ASPカートやSaaS型ECプラットフォームを利用する場合、月額数千円~数万円。
- 決済手数料: クレジットカード決済などを導入する場合、売上の数%程度。
- 広告宣伝費: 上述のWeb広告費用など。
- 人件費: サイト更新、商品登録、受注処理、顧客対応などを行うスタッフの人件費。「誰がやるのか?」は重要な問題です。
運営の手間:
- 商品情報の登録・更新: 新商品の追加、在庫情報の更新、商品説明の見直しなど、地道な作業が必要です。
- 受注処理・問い合わせ対応: 注文の確認、梱包、発送、顧客からの問い合わせへの対応など、日々の業務が発生します。
- サイトメンテナンス: システムのアップデート、セキュリティ対策、軽微な不具合修正など。
「思ったよりやることが多くて手が回らない…」とならないよう、事前に必要なリソースを把握しておくことが大切です。
情報漏洩は命取り!セキュリティ対策は万全に
ECサイトでは、顧客の氏名、住所、電話番号、クレジットカード情報といった非常に重要な個人情報を取り扱います。
万が一、これらの情報が外部に漏洩した場合、顧客からの信頼を失うだけでなく、損害賠償や行政処分といった深刻な事態を招きかねません。
- SSL/TLSの導入: 通信を暗号化し、データの盗聴や改ざんを防ぎます。ECサイトには必須です。
- 不正アクセス対策: ファイアウォールの設置、不正侵入検知システム(IDS/IPS)の導入、パスワードの強化など。
- ソフトウェアの脆弱性対策: 使用しているECプラットフォームやプラグインなどを常に最新の状態に保ち、脆弱性を悪用されないようにします。
- プライバシーポリシーの策定と遵守: 個人情報の取り扱いに関するルールを明確にし、それを遵守することが求められます。
- 定期的なセキュリティ診断: 専門業者によるセキュリティ診断を受け、潜在的なリスクを把握し対策を講じることが望ましいです。
「うちは大丈夫だろう」という油断は禁物です。セキュリティ対策は継続的に行う必要があります。
意外と大変?物流・在庫管理体制の構築
商品が売れた後の、物流(商品の保管、梱包、発送)と在庫管理もECサイト運営の重要な要素です。
在庫管理:
- 欠品による機会損失: 在庫切れで顧客が購入できないと、売上機会を逃すだけでなく、顧客満足度も低下します。
- 過剰在庫によるコスト増: 売れ残った在庫は保管コストや廃棄コストにつながります。
- 正確な在庫数の把握: 実在庫とECサイト上の在庫数が一致していないと、「注文したのに在庫がなかった」という最悪の事態を招きます。
物流業務:
- 商品の保管スペース: 十分な保管スペースの確保が必要です。
- 梱包作業: 商品を安全かつ丁寧に梱包する手間と資材コストがかかります。ブランドイメージを左右する要素でもあります。
- 発送業務: 配送業者の選定、伝票作成、集荷依頼など。迅速かつ正確な発送が求められます。
- 返品・交換対応: 返品や交換が発生した場合のフローも整備しておく必要があります。
これらの業務を自社で行う(自社物流)か、専門業者に委託する(物流アウトソーシング)か、事業規模やリソースに応じて検討が必要です。
「売れたはいいけど、発送が追いつかない!」という事態は避けたいものです。
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【目的別】自社ECサイトとECモール徹底比較
自社ECサイトとECモール、どちらを選ぶべきか悩ましいですよね。
ここでは、メーカーやブランドオーナー様が重視するであろう5つの目的別に、それぞれの特徴を比較し、どちらがより適しているかのヒントをご提供します。
以下の比較表も参考に、自社の状況と照らし合わせてみてください。
目的・比較ポイント | 自社ECサイト | ECモール |
---|---|---|
集客力 | △ 自力での集客努力が必須 | ◎ モールの集客力を活用可能 |
コスト | 初期:△~◎ (構築方法による)運営:○ (手数料低い) | 初期:◎ (比較的安価)運営:△ (手数料高い傾向) |
ブランドイメージ | ◎ 自由に表現可能、独自性が出せる | △ モールの規定内で、差別化しにくい |
顧客データ活用 | ◎ 自由に収集・分析・活用可能 | △ 制限あり、モール依存 |
運営の自由度 | ◎ デザイン、機能、施策など全て自由 | △ モールの規約やシステムに準拠 |
(◎:非常に優れている、○:優れている、△:やや劣る/注意が必要)
集客力で選びたい
「とにかく多くの人に商品を見てもらいたい」「EC事業を始めたばかりで知名度がない」という場合は、ECモールが有利です。
- ECモール
Amazonや楽天市場のような大手モールは、月間数千万人規模の訪問者数を誇ります。この集客力を利用できるのは大きなメリットです。
モール内での検索やランキング、特集企画などで商品が露出する機会があります。
ただし、モール内での競争も激しいため、単に出店するだけでは埋もれてしまう可能性も。モール内広告やSEO対策も重要になります。
- 自社ECサイト
立ち上げ当初はアクセスがほとんどない状態からスタートします。SEO対策、Web広告、SNS運用など、地道な集客努力が不可欠です。
時間はかかりますが、独自のファンを育成できれば、安定した集客が見込めます。
短期間で成果を出したい、まずは認知度を上げたい場合はECモール。長期的な視点で自社の資産となる集客チャネルを育てたい場合は自社ECサイト(ただし、相応の努力が必要)。
コストを抑えたい
「できるだけ初期費用や運営コストを抑えたい」というニーズは多く聞かれます。これは一概にどちらが良いとは言えません。
- ECモール
初期費用は比較的安価に抑えられるプランが多いです。
しかし、売上に応じた販売手数料(例:売上の8%~15%など)や月額の出店料がかかるため、売上が増えるほど手数料負担も大きくなります。「思ったより利益が残らない…」と感じることも。
- 自社ECサイト
構築方法によります。ASPカートの安価なプランなら月額数千円から始められますが、オリジナリティを追求して制作会社に依頼すると初期費用は高額になります。
販売手数料は基本的にかからないか、決済手数料(売上の3%~5%程度)のみで済む場合が多いです。
集客のための広告費は別途考慮が必要です。
- 初期費用を抑えたい: ECモールの低価格プラン、または自社ECサイトのASPカート利用。
- 長期的な運営コスト(特に売上手数料)を抑えたい: 自社ECサイト。
重要なのは、トータルコストで比較検討することです。
ブランドイメージを重視したい
「商品のこだわりやブランドの世界観をしっかり伝えたい」「安売り競争に巻き込まれたくない」という場合は、自社ECサイトが圧倒的に有利です。
- 自社ECサイト
サイトデザイン、コンテンツ、写真、フォントなど、細部に至るまでブランドイメージに合わせて自由に構築できます。
ブランドストーリーや作り手の想いを伝えるための専用ページなども設けやすいです。
顧客とのコミュニケーションも直接行えるため、ブランドへの愛着を育みやすいです。
- ECモール
モールの規定やテンプレートに沿ってショップページを作成する必要があるため、デザインの自由度が低いです。
他のショップと似たような見た目になりがちで、独自性を出しにくいという課題があります。
価格競争が激しく、ブランド価値よりも価格で比較されやすい傾向があります。
ブランドの世界観を大切にし、顧客との長期的な関係を築きたいなら自社ECサイト。
顧客データを活用したい
「顧客の購買行動を分析してマーケティングに活かしたい」「顧客と直接コミュニケーションを取りたい」という場合は、自社ECサイトが適しています。
- 自社ECサイト
購入履歴、閲覧履歴、顧客属性など、詳細な顧客データを自社で収集・管理・分析できます。
これらのデータを活用して、パーソナライズされたメールマガジンの配信、リターゲティング広告、新商品開発など、効果的なマーケティング施策を展開できます。
顧客と直接コミュニケーションを取ることで、関係性を深められます。
- ECモール
顧客情報は基本的にモール側が管理するため、自社で自由にアクセス・活用できるデータには限りがあります。
モールが提供する分析ツールを利用できる場合もありますが、詳細な分析や外部ツールとの連携は難しいことが多いです。
顧客への直接的なアプローチもモールの規約によって制限されることがあります。
データドリブンなマーケティングやCRM(顧客関係管理)を重視するなら自社ECサイト。
運営の自由度で選びたい
「独自のキャンペーンを打ちたい」「新しい機能を柔軟に追加したい」といった運営の自由度を求めるなら、自社ECサイトが良いでしょう。
- 自社ECサイト
販売戦略、プロモーション、サイトの機能追加・改修など、すべて自社の裁量で決定し、実行できます。
市場の変化や顧客のニーズに合わせて、迅速かつ柔軟に対応しやすいです。
例えば、特定の条件を満たした顧客向けの限定セールや、サブスクリプションモデルの導入なども比較的自由に行えます。
- ECモール
モールの規約やシステムに準拠する必要があるため、運営の自由度は制限されます。
キャンペーンの実施や機能の追加なども、モールのルールや提供範囲内で行う必要があります。
「やりたいことがあるのに、モールの制約でできない…」というフラストレーションを感じる可能性があります。
独自の戦略で柔軟にEC事業を展開したいなら自社ECサイト。
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ECサイト開設までの簡単5ステップ|初心者でもわかる始め方
ECサイトを始めたいけれど、何から手をつければ良いのか分からない…という方も多いでしょう。
ここでは、ECサイト開設までの基本的な流れを5つのステップに分けて解説します。このステップに沿って進めれば、初心者の方でもスムーズにECサイトを立ち上げることができます。
まずは目的を明確に!ECサイトで何を実現したい?
ECサイトを始める前に、「なぜECサイトをやりたいのか」「ECサイトを通じて何を実現したいのか」という目的を明確にすることが最も重要です。
目的が曖昧なまま進めてしまうと、途中で方向性がブレたり、期待した成果が得られなかったりする可能性があります。
具体的には、以下のような点を考えてみましょう。
- 売上目標: どれくらいの売上を目指すのか?(例: 月商100万円、年間売上1000万円など)
- ターゲット顧客: 誰に商品を売りたいのか?(年齢、性別、趣味嗜好、ライフスタイルなど)
- ブランド認知度向上: ECサイトを通じて、自社ブランドの認知度をどれくらい高めたいか?
- 新規顧客獲得: 新たな顧客層を開拓したいのか?
- 既存顧客との関係強化: リピーターを増やし、ファンを育成したいのか?
- 販路拡大: 国内の新たな地域や、海外市場への展開を目指すのか?
- コスト削減・利益率向上: 中間マージンを削減して利益率を高めたいのか?
これらの目的を具体的にすることで、「どのようなECサイトを作るべきか」「どのプラットフォームを選ぶべきか」「どのような集客戦略を取るべきか」といった、その後のステップでの判断基準が明確になります。
「なんとなく儲かりそうだから」という理由だけで始めると、失敗する可能性が高まります。
どの方法で始める?プラットフォームを選ぼう
ECサイトの目的が明確になったら、次にそれを実現するための「プラットフォーム」を選びます。
ECサイトを構築する方法はいくつかあり、それぞれ特徴や費用、必要な専門知識が異なります。
主な選択肢としては、以下のようなものがあります。
ASPカート (Application Service Provider)
ECサイトに必要な機能(カート、決済、商品管理など)がパッケージ化されたクラウドサービスです。
- メリット: 比較的低コスト・短期間でECサイトを始められる。専門知識があまりなくても利用しやすい。BASE、STORES、Shopify(一部プラン)などが代表的です。
- デメリット: デザインや機能のカスタマイズ性に制限がある場合が多い。「もっとこうしたいのにできない」ということも。
SaaS型ECプラットフォーム (Software as a Service):
ASPカートよりも高機能でカスタマイズ性が高いクラウド型のECプラットフォームです。Shopify(上位プラン)、futureshop、ecbeingなどが該当します。
- メリット: 拡張性が高く、本格的なECサイト構築が可能。セキュリティやアップデートは提供事業者が対応。
- デメリット: ASPカートよりは費用が高めになる傾向。
オープンソースECパッケージ
無料で公開されているECサイト構築用のソフトウェア(例: EC-CUBE、Magento)を利用する方法です。
- メリット: 非常に高いカスタマイズ性。ライセンス費用がかからない。
- デメリット: サーバーの用意や専門知識(プログラミングなど)が必須。セキュリティ対策も自社で行う必要があるため、「安易に手を出すと痛い目を見る」ことも。
フルスクラッチ開発
完全にオーダーメイドでECサイトをゼロから開発する方法です。
- メリット: 理想通りのECサイトを構築できる究極の自由度。
- デメリット: 莫大な開発費用と時間が必要。高度な専門知識を持つ開発チームが不可欠。
自社の予算、技術力、求める機能、将来的な拡張性などを総合的に考慮し、最適なプラットフォームを選びましょう。「最初はASPカートで小さく始めて、軌道に乗ったらSaaS型に移行する」といった段階的なアプローチも有効です。
お店の顔!魅力的なECサイトを構築
プラットフォームが決まったら、いよいよECサイトの構築です。ECサイトはオンライン上のお店そのものですから、ユーザーが「買いたい!」と思えるような魅力的なデザインと使いやすさが求められます。
- デザインコンセプトの決定
ターゲット顧客やブランドイメージに合わせて、サイト全体のデザインコンセプト(色使い、フォント、写真の雰囲気など)を決めます。「誰に何を伝えたいか」を意識しましょう。
- トップページの作成
ECサイトの「顔」となるトップページは非常に重要です。ブランドの魅力が一目で伝わるようなキャッチコピーやメインビジュアル、おすすめ商品、キャンペーン情報などを効果的に配置します。
- 商品ページの作り込み
商品の魅力が最大限に伝わるように、高品質な商品写真(さまざまな角度から、使用シーンなど)、詳細な商品説明、サイズや素材情報、ユーザーの声(レビュー)などを掲載します。「この商品が欲しい!」と思わせる工夫が大切です。
- ナビゲーションの設計
ユーザーが目的の商品にたどり着きやすいように、分かりやすいカテゴリ分類や検索機能を設けます。「どこに何があるか分からない」サイトは離脱の原因になります。
- ショッピングカート・決済プロセスの最適化
購入手続きが複雑だったり、入力項目が多すぎたりすると、ユーザーは途中で購入をやめてしまう(カゴ落ち)可能性があります。シンプルで分かりやすい購入フローを心がけましょう。
- スマートフォン対応 (レスポンシブデザイン)
今やECサイトのアクセスの多くはスマートフォンからです。スマートフォンでも見やすく、操作しやすいデザインにすることは必須です。
制作会社に依頼する場合は、自社の要望をしっかりと伝え、イメージを共有することが成功のポイントです。
ASPカートなどを利用する場合は、提供されているテンプレートをカスタマイズしながら、できる限りオリジナリティを出していきましょう。
商品を登録して販売準備を整えよう
ECサイトの器ができたら、次は実際に販売する商品を登録していきます。この作業は地道ですが、売上を左右する重要なステップです。
- 商品情報の準備
商品名、商品説明文、価格、SKU(在庫管理単位)、JANコード、商品画像、関連商品情報など、必要な情報を整理します。
商品説明文は、SEOを意識したキーワードを盛り込みつつ、ユーザーの購買意欲を高めるような魅力的な内容にしましょう。「ただスペックを並べるだけ」では売れません。
- 商品画像の準備
高品質でクリアな商品画像を複数枚用意します。商品の全体像、細部、使用イメージなどが伝わるように工夫しましょう。
画像のファイルサイズが大きすぎるとサイトの表示速度が遅くなるため、適切なサイズに最適化することも忘れずに。
- カテゴリ設定
商品を適切なカテゴリに分類し、ユーザーが探しやすくします。
- 在庫設定
正確な在庫数を登録します。在庫管理システムと連携できる場合は活用しましょう。
- 送料設定
全国一律、地域別、購入金額による無料条件など、送料ポリシーを決定し設定します。
- 決済方法の設定
クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、代引きなど、導入する決済方法を設定し、テストを行います。
「決済でエラーが出て買えない」といったトラブルは絶対に避けたいところです。
- 特定商取引法に基づく表記の作成
販売業者名、所在地、連絡先、返品条件などを記載したページを作成します。これは法律で義務付けられています。
商品登録は、数が多いと大変な作業になりますが、ひとつひとつ丁寧に行うことが大切です。
いよいよ開店!集客して運営を改善
商品登録や各種設定が完了し、テスト運用で問題がないことを確認したら、いよいよECサイトの開店です。
しかし、開店はゴールではなくスタートです。ここからは、ユーザーに来てもらい、購入してもらい、そしてリピーターになってもらうための「集客」と「運営改善」が重要になります。
- 集客施策の実施
SEO対策、リスティング広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティング、プレスリリース配信、既存顧客への告知など、計画していた集客施策を実行します。
「開店したことを多くの人に知らせる」ことが第一歩です。
- 効果測定と分析
Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを導入し、サイトの訪問者数、流入経路、人気商品、離脱ページなどを定期的にチェックします。
「データを見ずに運営するのは、目隠しで運転するようなもの」です。
- サイト改善 (PDCAサイクル)
分析結果に基づいて、サイトのデザイン、商品説明、購入フローなどの改善を継続的に行います(Plan-Do-Check-Action)。「ユーザーにとってより使いやすく、より魅力的なサイト」を目指しましょう。
- 顧客対応
問い合わせへの迅速かつ丁寧な対応、購入後のサンクスメール、レビューへの返信など、顧客との良好な関係を築くためのコミュニケーションを大切にします。
- キャンペーン・プロモーションの実施:
季節ごとのセール、新商品発売キャンペーン、会員限定割引など、定期的にプロモーションを実施し、購買意欲を刺激します。
ECサイト運営は、一度作ったら終わりではなく、日々の努力と改善の積み重ねが成功につながります。焦らず、ひとつひとつの課題に取り組んでいきましょう。
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ECサイトを理解し自社ブランドの可能性を広げよう
ECサイトは、もはや単なる販売チャネルのひとつではなく、ブランド価値を高め、顧客と直接つながり、ビジネスを大きく成長させるための強力なプラットフォームです。
特に、自社の商品やブランドに強いこだわりを持つメーカーやブランドオーナーの皆様にとっては、その可能性は無限大と言えるでしょう。
もちろん、ECサイトの立ち上げや運営には、集客の難しさ、コスト、専門知識の必要性といった課題も伴います。
しかし、それらを乗り越えた先には、中間マージンの削減による利益率向上、全国・海外への販路拡大、そして何よりも顧客とのダイレクトな関係構築という大きなリターンが待っています。
ECモールへの出店でオンライン販売の経験がある方も、これから本格的に自社ECサイトの構築をお考えの方も、まずは「自社がECサイトで何を実現したいのか」という目的を明確にすることから始めてみてください。
そして、その目的に合わせて最適なプラットフォームを選び、一つひとつのステップを着実に進めていくことが成功への近道です。
しるし株式会社では、AmazonをはじめとしたECモールの運用代行サービスを提供しています。
ご相談は下記フォームから無料で受け付けていますので、まずは気軽にお問合せください。
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