楽天広告の種類と運用方法がわかる！費用相場や選び方、注意点も解説

楽天市場での集客や売上拡大を試みる中で、広告の活用に頭を悩ませている出品者の方も多いのではないでしょうか。楽天市場では、大きく分けて3種類の広告があり、それぞれを細分化すると、さらに多くの広告を利用できます。

広告を効果的に活用すると、ショップや商品をお客さまにアピールでき、集客効果を期待できます。本記事では、楽天市場の広告の種類や特徴、費用相場、選び方まで詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

楽天市場の広告とは？運用前に押さえておきたい基礎知識

楽天広告を活用することで、自社商品を多くの楽天ユーザーの目にふれさせることができるのはもちろん、商品のブランディングにもなります。

また基本的に楽天市場には購入目的のユーザーが多いため、上手に広告を活用することで大幅な売上上昇を見込めます。

楽天で利用できる広告は、主に「ディスプレイ広告」「運用型広告」「ニュース広告」の3種類に分かれます。基本的なメニューだけでも8種類の広告が存在するため、いつ・どの広告を使うかは多くのメーカーの悩みです。

広告の費用対効果を最大化するためには、広告の課金方式を理解し、費用を上手にコントロールすることも重要です。

まずは、広告の種類と費用の相場をおさえていきましょう。

参照：広告商品｜Rakuten Marketing Platform navi

楽天市場の広告の種類

楽天市場で利用できる広告は、以下の3つに分けられます。

広告タイプ	課金形式	広告の種類
ディスプレイ広告	固定課金	・楽天市場広告 ・特別大型企画
運用型広告	クリック課金ビューアブルインプレッション（Vimp）課金 ※売上課金	・RPP広告 ・クーポンアドバンス広告 ・TDA広告 ・CPA広告
ニュース広告	クリック課金	・楽天配信 ・店舗配信

広告のタイプや種類を理解して、効果的に売上アップを目指しましょう。

楽天市場の広告① ディスプレイ広告の特徴と費用相場

楽天市場のディスプレイ広告は、以下の2種類です。

	費用相場	特徴
楽天市場広告	4万～100万円以上 広告仕様によって異なる	楽天のトップページやジャンルごとの特集企画ページに掲載。 【おすすめ商品】 シーズナル、ギフト、広くニーズを見込める商品
特別大型企画	200万円以上 広告仕様によって異なる	トップページ等に自社バナーを設置。 セール時は、大きなアクセス数を見込める一方獲得効率は良くないため認知拡大など予算に余裕のある場合におすすめ。

費用相場や掲載箇所が異なるため、違いを理解してディスプレイ広告を活用しましょう。

楽天市場広告

楽天市場内トップページやイベント会場ページ、メール配信などに掲載される広告です。期間保証型の広告であるため、自社商品が買ってもらえそうなイベントに合わせて配信するのがおすすめ。

楽天市場では、ジャンルイベント（美容・コスメ・香水、レディースファッション、ダイエット・健康など）や季節イベント（バレンタイン、クリスマス、母の日など）などさまざまなイベントが開催されます。

掲載期間・場所・サイズなどの広告枠の仕様によって費用が異なるため、4万～100万円以上と幅のある価格帯になっています。

シーズナル・ギフトに強い商品や、広くニーズを見込める商品、価格が低く楽天市場での買い周りにぴったりな入り口商品を集中的に販売する場合におすすめです。

特別大型企画

スーパーセールやお買い物マラソンの期間に、楽天市場内トップページやイベント会場ページなどのユーザーの目に触れやすい枠に自社の画像バナーを設置します。

大型セールで売上を最大化したいメーカーや、衝動買いされやすい商品を販売しているメーカーに相性の良い広告です。

セール期間中であるためアクセス数は稼げますが、商品に強い関心を持っているユーザー以外も大量に獲得することになるため、購入率は低くなる傾向にあります。また、200万円と高単価なため、売上だけではなく費用対効果も気にする必要があります。

楽天市場の広告② 運用型広告の特徴と費用相場

楽天市場の運用型広告の種類は、以下の4つです。

	費用相場	特徴
検索連動型広告（RPP）	商品CPC：10円〜 キーワードCPC：40円〜	ユーザーの検索・行動履歴にマッチする商品を自動で表示。 アクセス数の向上が見込めます。
運用型クーポン広告（クーポンアドバンス広告）	自動商品選定CPC：25円〜 手動商品選定CPC：40円〜	検索結果やユーザーの行動履歴に基づいてクーポンを配信。 アクセス数増加や、転換率（アクセス数に対する購入件数）向上が見込めます。
ターゲティングディスプレイ広告（TDA）	月額予算5万円〜 0.75〜10円 / Vimp	ターゲティングしたユーザーに対してショップで作成したバナーを露出。 アクセス人数獲得や更なるリピート顧客の獲得が見込めます。
効果保証型広告（CPA）	広告経由で発生した売上の20%	楽天市場内と外のページにマッチした商品を自動で表示。 売上が発生した時のみ課金される仕組みとなっています。

それぞれ単価や特徴が異なるため、予算や目的に合った運用型広告を活用しましょう。

検索連動型広告（RPP）

楽天市場の検索連動型広告（RPP）は、RMSに登録した全商品からユーザーの検索・行動履歴やコンテンツにマッチした商品を楽天側が自動で選び表示させます。

主に検索画面の上部に表示される広告で、キーワードで商品を探している購入意欲の高いユーザーに接触することができます。

クリック時に広告費が課金されるシステムで、商品ページごとに最適なキーワードで表示される楽天のアルゴリズムに任せた自動運用が基本ですが、特定のキーワードを指定して広告をかけることもできます。

運用型クーポン広告（クーポンアドバンス広告）

楽天市場の運用型クーポン広告（クーポンアドバンス広告）は、クーポンを表示させたい商品を登録し値引き予算を設定することで、登録商品の中から最適な値引き価格を予測しクーポンを自動で発行します。

キーワードの検索結果やユーザーの行動履歴に基づいてクーポンが配信され商品の露出が増えるため、アクセス人数を増やしたり、クーポン値引きによる転換率向上も見込めます。

クーポン獲得時に課金される仕組みとなっており25円〜設定が可能です。

ターゲティングディスプレイ広告（TDA）

楽天市場のターゲティングディスプレイ広告（TDA）は、年齢、性別、閲覧履歴、購入履歴などの項目でセグメントをかけ、特定のユーザーへバナーが配信されます。

配信されるバナーはショップで作成することができるので、リンク先の商品ページやショップページに適した引きのあるバナーを作成すると良いでしょう。

商品やショップの認知拡大や再購入促進など様々な用途で活用でき、楽天市場内外に配信されるため自社商品にピッタリのユーザーに絞り込んだ上で、楽天外でもユーザーにアピールできます。

ビューアブルインプレッション（Vimp）課金となっており、バナー広告の面積の50%以上が1秒以上ユーザーに表示された場合のみ課金が発生し、その回数と配信単価を乗算した金額が課金額合計となります。

効果保証型広告（CPA）

楽天市場の効果保証型広告（CPA）は、RMSに登録した全商品から、楽天市場内だけでなく楽天市場外の親和性の高いページにも楽天側が商品を自動で選び表示させます。

広告経由で売上が発生すると課金されるシステムで、広告経由売上の20%が固定で課金されます。

商品の利益率に問題がないのであれば安心して利用できる広告と言えるでしょう。

楽天市場の広告③ ニュース広告の特徴と費用相場

楽天市場のニュース広告は、以下の2種類です。

	費用相場	特徴
楽天配信	10万〜50万円程度 メール種類によって異なる	楽天市場ユーザーにメールを配信します。 広く新規顧客の獲得を目指したり、短期間で売上を伸ばしたりするために利用するのがおすすめです。
店舗配信	最低月額予算3万円〜	自社ショップで購入したことのあるユーザーにメールを配信します。 再購入を促すために利用するのがおすすめです。

違いを押さえて、顧客に向けて効果的なメールを送りましょう。

楽天配信

楽天配信では、メール配信許可をしている楽天市場ユーザーに送るメール内に広告を掲載できます。楽天市場のお得情報を収集したいと思っているユーザーに届くため興味を持って読まれやすいと言えます。

広告掲載するメールの種類も選択でき、楽天市場ニュースやバーゲンニュースなどジャンルを問わないメールから、ファッションやグルメなど特定ジャンルの商品のみを配信するメールなどがあります。

中でも楽天市場ニュースは最大級の配信数と高い開封率を持っているのが特徴で、10万〜50万円の価格帯で配信が可能です。

配信対象者が多いため、一気にアクセス数が集まります。そのため在庫が多くあり、ランキング入賞を目指すような商品におすすめです。

店舗配信

楽天市場の店舗配信では、一度自社のショップで購入したことがあるユーザーに向けた広告で、ショップ側で作成したメールを送信します。

消耗品や買い替え頻度の高い商品のリピート購入を促す施策として活用でき、月額予算も3万円から利用できるため始めやすい広告と言えます。

商品購入時に表示される「メルマガ配信許可」からチェックを外したユーザーには送られません。ショップのメルマガ購読者数が少ない場合は、配信数が限られてしまうので注意が必要です。

楽天市場の広告を選ぶポイント【運用フェーズ別】

複数のショップで買い物をするほどポイント還元率が高まる「お買い物マラソン」でわかる通り、楽天市場は回遊率の高さが魅力。回遊しているユーザーにいかに商品を見つけてもらうかが売上拡大の重要なポイントです。ショップの販売フェーズや商材からどのような広告を使ってユーザーを獲得すべきかを判断しましょう。

ここからは、ショップの販売フェーズを「新規出店時」「売上拡大期」「成熟期」の3つに分け、特定の商材を想定して、おすすめの広告を紹介していきます。あくまで定石といえる広告戦略なので、自社に合った広告を知りたい方は運用代行会社などにお問合せください。

販売フェーズ：新規出店時

おすすめ広告：運用型広告（RPP広告、クーポンアドバンスド広告）

販売開始後まずは、商品認知がすでにある商品は指名買いユーザーを獲得していくことが基本です。指名買いユーザーとは既に商品のことを知っていてブランド名や商品名で検索をしている自社商品に対し購買意欲の高いユーザーを指します。

指名買いユーザーの獲得には、運用型広告（RPP広告、クーポンアドバンスド広告）が活用できます。検索結果や親和性のあるカテゴリなどに露出できる広告となっており、任意のキーワード設定が可能なので、自社のブランド名や商品名を設定しましょう。

また仮にブランド名や商品名の認知が少なくてもニッチな商品であれば、商材名に対して運用型広告で対策をしていくことにより購買意欲の高いユーザーを獲得することが可能です。

販売フェーズ：売上拡大期

おすすめ広告：運用型広告、ディスプレイ広告（楽天市場広告）、ニュース広告

指名買いユーザーの獲得が出来たら自社商品の購入を検討しているユーザーや商材に興味はあるがどの商品を購入するか決まっていないという、購入に能動的な検討段階のユーザーを獲得していきましょう。

基本的には、運用型広告で商材を表す一般キーワード（美容液、シャンプー、着圧ソックスなど）を検索するユーザーの獲得を目指します。

購入頻度の低い商品や高価格帯の商品は、競合の少なさから入札単価（CPA）が高騰しづらく運用型広告で成功しやすい傾向です。一方、日用品や消耗品など価格帯の安い商品（1,000〜2,000円程度）や購入頻度が高い商品は、細かいセグメントは不要であることも多いため、カテゴリを内で広く配信されるディスプレイ広告の方が効果を発揮しやすいと考えられます。

またニュース広告（楽天配信）を使えば、大量の新規ユーザー獲得を期待できますし、ニュース広告（店舗配信）では、既存顧客のリピート購入を狙うような配信が可能です。

自社商品のユーザー購入頻度も考慮して適切な広告を選ぶようにしましょう。

販売フェーズ：成熟期

おすすめ広告：運用型広告、ディスプレイ広告（楽天市場広告、特別大型企画）、ニュース広告

指名買いユーザーと商材関心の高い一般キーワード検索ユーザーの獲得が安定してできるようになったら、次に狙うユーザーは「楽天市場内を回遊しているけれど商材/該当カテゴリ自体への購入意向度の低いユーザー」です。

運用型広告などの既存広告と合わせて、楽天大型セールに掲載されるディスプレイ広告（特別大型企画）の利用を検討しましょう。楽天市場トップページからの導線により大量のユーザーアクセスを期待できることに加えセールタイミングでの掲載になるため、購入意向度の低いユーザーも普段より獲得しやすくなります。

基本的にまだ商材への関心や購入意向度が低いユーザーに対してアプローチをすることは、かけた広告費に対する獲得効率が短期的にはよくない場合が多いため、予算に余裕がある場合のみ検討するようにしましょう。

楽天市場の広告を運用する際の注意点

楽天広告を運用する際は、以下の2点に注意しましょう。

• 費用対効果や課金形態の種類に気を付ける
• 広告を運用する知識や人材が必要

費用対効果や課金形態の種類に気を付ける

ショップの売上が伸びずに横ばいの場合、広告を使うことで楽天市場の運営費用が上がってしまうため利益率が下がってしまいます。広告費用の使い過ぎには十分な注意をしましょう。

運用型広告では予算を設定できて、ディスプレイ型広告は買い切りで掲載ができます。利用する前に広告費がわかる分、少ないリスクで始めることができるので、予算に不安がある場合はここから始めてみましょう。

広告を運用する知識や人材が必要

楽天広告を始めたいと考えてはいるものの数ある広告メニューの中から「何の広告を活用すれば分からない」とお悩みの方は、楽天運用代行サービスを利用するのもおすすめ。

専門知識を持った担当者に適切な広告メニューの選定から実際の運用までを任せることができたり、広告配信結果の分析などのサポートを受けることができます。

しるし株式会社では、楽天市場の運用代行+コンサルティングをサービスを提供しています。楽天市場の広告運用実績のある専任コンサルタントが貴社の売上を最大化できるように運用をサポートします。

随時、無料でお問い合わせやご相談を受け付けておりますので、まずは気軽にお問い合わせください。

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まとめ：楽天市場の広告を上手に活用して売上を最大化しよう

楽天には、大きく分けてディスプレイ広告、運用型広告、ニュース広告という種類の広告があります。

売上を最大化するために自社の販売フェーズや商材特徴から「いつのタイミング」で「どの広告を利用すべきか」を考えて使うようにしましょう。ショップの売上が横ばいの場合、広告費を使いすぎると自社の利益を圧迫してしまうので、使い過ぎには注意が必要です。

自社に楽天広告を運用するノウハウや工数が不足している場合は、運用代行サービスの利用も検討すると良いでしょう。