Amazonの法人価格・数量割引の設定方法|5つの設定パターンと注意点を解説


吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店に入社し、デジタル広告運用の最前線で実務経験を積み、データドリブンな戦略立案と分析スキルを習得。その後、しるし株式会社に入社し、Amazon事業部にて化粧品・ヘアケア・食品・家電・医療用品など幅広いカテゴリのブランドのECモール運用を担当。2025年よりAmazonチームのマネージャーとして、戦略設計から施策の立案・実行までをリードし、ブランド価値の最大化にコミット。

監修者
吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店を経て、しるし株式会社のAmazonチームのマネージャーに就任
Amazon Businessでは、法人・個人事業主のお客様に向けて「法人価格」と「数量割引」を設定できます。
ただし、設定方法は1つではありません。商品数や価格変更の頻度に応じて、1SKUずつ手動で設定する方法、Excelファイルでまとめて登録する方法、自動価格設定ルールを使う方法などを使い分ける必要があります。
この記事では、5つの設定方法の違いを整理したうえで、実際の設定手順や注意点をわかりやすく解説します。
Amazonの法人価格・数量割引とは
法人価格とは
法人価格は、Amazon Businessを利用する法人・個人事業主のお客様が、商品を1点購入するときに適用される価格です。
一般のお客様向けの販売価格とは別に、法人のお客様向けの価格を設定できます。商品詳細ページでは、通常価格と比較した節約額が表示される場合があります。
数量割引とは
数量割引は、1回の注文で購入する数量に応じて、1点あたりの価格を下げる仕組みです。
例えば、次のような段階設定ができます。
| 購入数量 | 割引内容 | 1点あたりの価格 |
|---|---|---|
| 1点 | 法人価格 | 2,000円 |
| 5点以上 | 10%OFF | 1,800円 |
| 10点以上 | 15%OFF | 1,700円 |
| 20点以上 | 20%OFF | 1,600円 |
数量割引は、次の2種類から設定できます。
- 割引率:法人価格から何%値引きするかを指定する
- 固定価格:数量条件を満たしたときの1点あたりの価格を指定する
数量区分は最大5段階まで設定できます。購入数量が多くなるほど割引幅も大きくなるように設定します。
法人割引を設定するメリット
法人価格や数量割引を設定すると、法人向けのおすすめ出品となる機会や商品の認知度向上につながる可能性があります。また、まとめ買いを促しやすくなるため、平均注文額や購入転換率の向上も期待できます。
法人価格・数量割引の設定方法は5種類
法人価格・数量割引の設定方法は、手動設定が2種類、自動設定が3種類あります。

| 方法 | 設定方式 | 対象 | 価格の決め方 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 在庫管理画面で1SKUずつ設定 | 手動 | 少数SKU | 固定価格 | 一般販売価格をあまり変更しない、数SKUだけ設定したい |
| 在庫ファイルで一括登録 | 手動 | 複数SKU | 固定価格 | 一般販売価格をあまり変更しない、複数SKUをまとめて設定したい |
| ビジネスカタログルール | 自動 | 原則すべてのSKU | 一般販売価格からの割引率 | 商品数が多い、全体に共通ルールを適用したい |
| 独自の割引ルール | 自動 | 指定したSKU | 一般販売価格からの割引率 | 商品群ごとに割引率を変えたい |
| 法人向け競争力のあるおすすめ出品ルール | 自動 | 指定したSKU | おすすめ出品価格を基準に追従 | 競争力やおすすめ出品の獲得を重視したい |
少数の商品を設定するだけなら在庫管理画面、商品数が多い場合はファイルまたは自動価格設定ルールが扱いやすいでしょう。
設定前に確認しておきたい価格条件
法人価格や数量割引は、価格を入力しただけでは有効にならない場合があります。一般販売価格やAmazonポイントとの関係を確認してから設定しましょう。
資料では、次の状態に該当する商品が「設定見直し推奨」とされています。
- ポイントを1%以上設定している場合、法人価格が「一般販売価格-ポイント相当額」以下になっていない
- ポイントを設定していない場合、法人価格が一般販売価格より1円以上低くなっていない
- 数量割引後の価格が一般販売価格より高い
- 数量割引後の価格が法人価格より高い
例えば、一般販売価格が1,000円で1%分のポイントを設定している場合、ポイント相当額は10円です。法人価格は、1,000円から10円を引いた990円以下になるように設定します。
未設定商品や無効になっている可能性がある商品は、法人価格・数量割引の見直しページで確認できます(設定方法資料3ページ)。
方法1:在庫管理画面で1SKUずつ設定する
数SKUだけ設定したい場合は、「全在庫の管理」画面から個別に設定する方法がわかりやすいでしょう。
法人価格を設定する手順
- セラーセントラルのメニューから「在庫」→「全在庫の管理」を開く
- 対象商品の「法人価格」の横にある「セット」または「設定」をクリックする
- 法人価格を入力する
- 表示内容を確認し、変更を保存する
「法人価格」や「セット」が表示されない場合は、在庫管理画面右上の「設定」を開き、「項目の表示」にある「法人価格」にチェックを入れます。
画面上に「おすすめ出品価格」「最低価格」「Business Savings Blueマークの対象価格」などが表示される場合は、価格設定の参考にできます。

数量割引を設定する手順
数量割引を設定するには、先に法人価格を入力します。
- 「数量割引」セクションを開く
- 「%オフ」または「固定料金」を選択する
- 購入数量のしきい値を入力する
- その数量に適用する割引率または固定価格を入力する
- 必要に応じて「しきい値を追加」をクリックする
- 変更を保存する

割引率を使う場合は、法人価格からの割引率を入力します。固定価格を使う場合は、しきい値を満たしたときの1点あたりの価格を入力します。
方法2:在庫ファイルを使って一括登録する
複数SKUに法人価格や数量割引を設定したい場合は、Excel形式の在庫ファイルを利用できます。
使用するファイル
資料では、主に次の2種類が案内されています。
- 価格と数量変更ファイル:法人価格や数量割引だけを編集したい場合に使いやすい
- Amazon Businessテンプレート:法人価格以外の商品情報もあわせて編集できる

主な入力項目
| 項目 | 入力内容 |
|---|---|
| business-price | 法人価格 |
| quantity-price-type | fixedまたはpercent |
| quantity-lower-bound1 | 1段階目の割引が適用される最小購入数量 |
| quantity-price1 | 1段階目の固定価格または割引率 |
| quantity-lower-bound2 | 2段階目の最小購入数量 |
| quantity-price2 | 2段階目の固定価格または割引率 |
数量区分は最大5段階まで設定できます。下限数量は段階が進むほど大きくし、割引率は段階が進むほど高くなるように入力します。
法人価格や固定価格を入力するときは、桁区切りのカンマや通貨記号を入力しません。割引率を入力するときも「%」記号を付けず、数値のみを入力します。
一括登録の流れ
- 法人価格・数量割引に対応したテンプレートをダウンロードする
- SKUと法人価格を入力する
- 必要に応じて数量割引タイプ、数量の下限、割引内容を入力する
- ファイルを指定形式で保存する
- 「アップロードによる一括商品登録」からアップロードする
- 処理レポートを確認し、エラーがある場合は修正して再アップロードする
方法3:ビジネスカタログルールで全SKUに一括設定する
取り扱い商品数が多く、カタログ全体に共通の割引率を適用したい場合は、「Business Catalog Rule by Amazon」を利用できます。
このルールを有効にすると、一般販売価格に対する割引率をもとに法人価格と数量割引が自動設定されます。今後追加するSKUにもルールが適用されるため、商品追加のたびに法人価格を設定する作業を減らせます。

設定手順
- 「価格」→「価格の自動設定」を開く
- 「Business Catalog Rule by Amazon」の「ルールを設定する」をクリックする
- 出品価格の下限値を設定する
- 商品1点ごとの割引率を入力する
- 必要に応じて数量割引のしきい値と割引率を入力する
- 「保存して有効にする」をクリックする
Amazonポイントを設定している商品では、商品1点ごとの割引率をポイント設定率より高くする必要があります。
注意
出品価格の下限値は、数量割引には適用されません。自動設定画面では、数量割引後の価格が下限値を下回る設定でも更新できる場合があるため、数量割引後の価格を別途確認してください。
セールやキャンペーンで一般販売価格を大きく下げる予定がある場合は、下限値を厳しく設定しすぎると出品停止になる可能性があります。通常時だけでなく、セール時の値下げ幅も考えて設定しましょう。
方法4:独自の割引ルールを作成してSKUごとに適用する
商品カテゴリーや利益率に応じて割引率を分けたい場合は、独自の価格設定ルールを作成します。
例えば、「事務用品は5%OFF」「消耗品は3%OFF」「数量割引だけを設定する」といったルール分けができます。

ルールを作成する手順
- 「価格」→「価格の自動設定」を開く
- 「カスタム価格設定ルールを作成」をクリックする
- ルールタイプから「法人価格と数量割引」を選ぶ
- ルール名を入力する
- マーケットプレイスで「アジア太平洋」→「日本」を選択する
- 商品1点ごとの割引率を入力する
- 数量割引を設定する場合は「数量しきい値を追加する」をクリックする
- 内容を確認して「保存して終了」をクリックする
数量割引だけを設定したい場合は、商品1点ごとの割引率を0として設定します。
ルールを作成しただけでは、対象SKUには適用されません。作成後に、対象SKUを1つずつ紐づけるか、ファイルで一括紐づけします。
方法5:法人向け競争力のあるおすすめ出品ルールを作成する
同一商品を複数の出品者が販売しており、おすすめ出品の獲得や価格競争力を重視する場合は、「法人向け競争力のあるおすすめ出品」のルールを利用できます。
このルールでは、おすすめ出品価格を基準にして、一定額または一定率だけ低い・同じ・高い価格を設定できます。

ルールを作成する手順
- 「価格」→「価格の自動設定」を開く
- 「カスタム価格設定ルールを作成」をクリックする
- 「法人向け競争力のあるおすすめ出品」を選択する
- ルール名とマーケットプレイスを設定する
- おすすめ出品価格より低くする・一致させる・高くする、のいずれかを選ぶ
- 金額または割引率を入力する
- 比較対象商品の条件を選ぶ
- 必要に応じて数量区分を追加する
- 「保存して終了」をクリックする
比較対象は、商品のコンディション、出荷方法、出品者タイプなどで絞り込めます。
作成したルールをSKUに適用する方法
方法4と方法5で作成したルールは、対象SKUへの紐づけが必要です。
1SKUずつ紐づける場合
- 作成したルールの「SKUを編集」をクリックする
- 「SKUの管理」を開く
- 対象商品のアクションから「出品価格の下限/上限の設定」を選択する
- 下限値・上限値を設定して保存する
- 「適用されるルール」で作成した法人向けルールを選ぶ
すでに下限価格が設定されている場合は、「ルールに割り当てる」から対象ルールを選択できます。
ファイルで一括紐づけする場合
SKU数が多い場合は、価格の自動設定ファイルを使用します。

- ルールの「SKUを編集」をクリックする
- 「SKUをファイルで一括管理する」を開く
- ダウンロードセンターから空白のファイルをダウンロードする
- SKU、下限値・上限値、法人向けルール名、アクションを入力する
- UTF-8形式の.txtファイルで保存する
- アップロードセンターからファイルをアップロードする
法人向けルール名を入力する列では、ルール名を正確に入力します。開始する場合はアクションにSTART、停止する場合はSTOPを使用します。
価格設定ルールを編集・停止・削除する方法
ルールを編集する
「価格」→「価格の自動設定」を開き、対象ルールの「SKUを編集」のプルダウンから「ルールを編集」を選択します。割引率や数量区分などを変更できます。
一部のSKUをルールから外す
一部のSKUだけ自動価格設定を止めたい場合は、次の方法があります。
- 在庫管理画面またはファイルアップロードで法人価格を上書きする
- 「SKUの管理」画面から「価格変更の停止」を選択する
手動で価格を上書きすると、そのSKUは価格設定ルールから外れます。
ルールを一時停止する
「ルールを一時停止」を選ぶと、再開するまでルールによる価格変更が停止します。
ただし、ルールを停止しても、すでにSKUへ設定された法人価格や数量割引は自動削除されません。
法人価格・数量割引を完全に削除する
設定済みの法人価格を削除するには、在庫管理画面で個別に削除するか、ファイルで一括削除します。
ファイルで削除する場合は、SKUを入力し、価格設定操作の列に次の値を入力します。
delete business_price
その後、「カタログ」→「アップロードによる一括商品登録」→「スプレッドシートをアップロード」からファイルをアップロードします。
なお、ビジネスカタログルールは削除できません。不要な場合はルールを停止して運用します。
よくあるエラーと注意点
法人価格が一般販売価格より高くなっている
一般販売価格を変更したあと、法人価格を変更し忘れると、法人価格の方が高くなる場合があります。この状態では法人価格が無効になる可能性があります。
手動設定を利用する場合は、一般販売価格を変更したタイミングで法人価格も確認しましょう。
数量割引後の価格が法人価格より高い
数量割引は、購入数量が増えるほど1点あたりの価格が低くなるように設定します。数量区分ごとの価格や割引率が逆転していないか確認してください。
ポイントを考慮していない
Amazonポイントを設定している商品では、一般販売価格からポイント相当額を差し引いた価格を基準に法人価格を設定します。
一般販売価格1,000円、ポイント1%の場合、正味の基準価格は990円です。法人価格は990円以下となるように設定します。
下限価格を高く設定しすぎている
下限価格を厳しく設定すると、セール時に販売価格が下限を下回り、出品停止となる場合があります。通常時だけでなく、タイムセールや大型セール時の値下げ幅も考慮してください。
自動ルールを停止しても価格設定は削除されない
ルールの停止は、今後の価格変更を止める操作です。すでに設定された法人価格や数量割引を削除する操作ではありません。
完全に削除する場合は、在庫管理画面またはファイルアップロードから削除します。
法人価格・数量割引を運用するときのポイント
設定見直し推奨商品を定期的に確認する
未設定商品や無効になっている可能性がある商品を確認し、価格の不整合を早めに修正します。
価格指標を参考にする
セラーセントラルに表示される次の情報を価格設定の参考にします。
- 最低価格
- B2Bのおすすめ出品価格
- Business Savings Blueマークの対象価格
- よく購入される数量
- 1点あたりのおすすめ出品価格
商品数と価格変更頻度に合った方法を選ぶ
数SKUだけなら個別設定、複数SKUならファイル、商品数が多く価格変更も多い場合は自動価格設定ルールが管理しやすくなります。
自動設定でも定期的に確認する
自動価格設定を使っていても、数量割引後の価格、下限価格、セール時の価格変動を定期的に確認します。自動化は作業を減らせますが、利益率や価格の妥当性まで自動的に保証するものではありません。
法人価格・数量割引の設定・運用に迷ったらAmazon運用代行・コンサルの活用も検討しよう
Amazonの法人価格・数量割引は、商品数や価格変更の頻度に応じて設定方法を選ぶ必要があります。
さらに、一般販売価格やAmazonポイントとの整合性、数量区分ごとの割引幅、出品価格の下限値など、設定後も確認すべき項目が少なくありません。
取り扱うSKUが多い場合や、セールに合わせて価格を頻繁に変更する場合は、設定作業だけでなく、法人価格が無効になっていないか、想定以上の値引きが発生していないかを継続的に確認する必要があります。
社内だけで対応するのが難しい場合は、Amazon運用代行・コンサルティング会社に相談するのも一つの方法です。
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吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店に入社し、デジタル広告運用の最前線で実務経験を積み、データドリブンな戦略立案と分析スキルを習得。その後、しるし株式会社に入社し、Amazon事業部にて化粧品・ヘアケア・食品・家電・医療用品など幅広いカテゴリのブランドのECモール運用を担当。2025年よりAmazonチームのマネージャーとして、戦略設計から施策の立案・実行までをリードし、ブランド価値の最大化にコミット。

監修者
吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
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