Amazon「価格割引ツール」とは?セール価格設定の新常識と二重価格で売上を伸ばす方法

「セラーセントラルからセール価格の入力欄が消えた」と困っていませんか?
この記事では、従来のセール設定に代わる新機能「Amazon価格割引ツール」の使い方とメリットを解説します。
二重価格(参考価格からの割引)を表示させてクリック率を高める条件や、クーポン・プライム会員限定割引との使い分けについても詳しく説明します。
「セール価格」入力欄が消えた?新機能「Amazon価格割引ツール」とは
Amazonのセール価格設定方法に大きな変化が起きています。 最近「セール価格」を入力する欄が見当たらず戸惑った方もいるのではないでしょうか。
実はAmazonは新機能「価格割引ツール」を導入し、従来の「セール価格」設定およびプライム会員限定割引の仕組みを刷新しました。
ここでは、価格割引ツールの概要とセール価格との相違点を解説します。
従来の「セール価格」設定との違いと移行の背景
従来は在庫管理画面で商品ごとにセール価格や期間を設定していましたが、新しい価格割引ツールではキャンペーン形式でまとめて割引設定を管理できます。
特に大きな違いは、従来別メニューだった「プライム会員限定割引」が統合された点です。プライム会員限定割引機能は価格割引ツールへ移行され、旧ツールは廃止されました。
これによりセール価格設定とプライム限定割引を同じ画面で一元管理できるようになり、出品者にとっての操作性が向上しています。
価格割引ツールは、Amazon上で期間限定の値引きキャンペーンを作成するための機能です。
割引期間と割引対象となる在庫数を指定すると、その範囲内で自動的に割引価格が適用されます。設定した在庫数を売り切るか割引期間が終了すると、価格は自動で通常価格に戻ります。
従来通り在庫管理画面から個別にセール価格を設定することも可能ですが、価格割引ツールを使えば複数商品のセールを一括で管理できるため、キャンペーン時期には特に便利です。
Amazon価格割引ツールを導入する最大のメリットは「二重価格表示」
価格割引ツール最大の魅力は、なんといっても商品ページ上での二重価格表示が可能になることです。
割引を適用すると、商品価格の横に取り消し線付きの元の参考価格が表示され、割引額や割引率が強調されます。
二重価格表示により検索結果や商品詳細ページで商品が目立ち、ユーザーの目を引きやすくなります。
また、従来はプライム会員しか利用できなかった割引が全ユーザー対象に拡大されたことで、より多くの顧客層にアピールできるようになりました。
ここでは、二重価格表示がもたらすクリック率向上効果と、プライム会員以外にも訴求できる強みについて詳しく見ていきましょう。
参照元:価格の割引ダッシュボードで割引価格をグローバルに提供いただけます
検索結果で目立つ!取り消し線付き価格によるクリック率向上
価格割引ツールを使って割引を実施すると、検索結果一覧や商品ページにおいて通常価格に取り消し線が付き、割引後の価格が目立つ形で表示されます。
検索結果で他の商品と並んだ際、価格に取り消し線が入っている商品はひときわ目を引くため、クリック率(CTR)の向上が期待できます。
実際、二重価格表示によって購入者の割引見込額がハイライト表示されることで、多くのユーザーの関心を集める効果が確認されています。
価格割引ツールを活用すれば広告費をかけずに商品を目立たせることができ、商品ページへの誘導数アップにつながります。
全ユーザーが対象!プライム会員以外にも訴求できる強み
もうひとつの大きなメリットは、割引の対象をすべての購入者に拡大できる点です。従来のプライム会員限定割引は名前の通りプライム会員のみが恩恵を受けられるものでした。
しかし新しい価格割引ツールでは、割引対象者を「すべての購入者」または「プライム会員」から選択可能で、設定次第では非プライム会員にも同じ割引を提供できます。
プライム会員以外のライトユーザーにもセール価格を提示できるため、顧客層を広げて購買意欲を刺激できるという強みがあります。
もちろん、必要に応じて従来通りプライム会員に限定して割引を適用することも可能です。ターゲットに応じて使い分けられる柔軟性も価格割引ツールの魅力と言えるでしょう。
どっちがお得?「価格割引」と「クーポン」「プライム限定割引」の使い分け
Amazonには「価格割引」の他にも「クーポン」や「プライム会員限定割引」といった販促手段があり、それぞれ仕組みや費用が異なります。
自社商品に最適なプロモーションを選ぶには、これらの違いと使い分けを理解することが大切です。
ここでは、価格割引ツールとクーポン、プライム限定割引の3つを比較し、費用や対象ユーザー、視認性などの観点からどのように使い分けるべきかを解説します。
利益を圧迫しにくい施策はどれなのか、狙った顧客層に響く効果的な手段は何か、悩んでいる方はぜひ以下の比較表を参考にしてみてください。
| プロモーション施策 | 価格割引 | クーポン | プライム限定割引 |
|---|---|---|---|
| 手数料コスト | 無料 | 有料(1注文につき60円) | 無料 |
| 割引対象 | すべての購入者 | すべての購入者 | プライム会員のみ |
| 表示方法 | 二重価格表示(参考価格に取り消し線) | 「クーポン」バッジ表示(要クリップ) | 二重価格表示(プライム会員にのみ表示) |
| 最低割引率 | 明確な制限なし ※過去価格や参考価格が必要 | 制限なし(金額・%を任意設定可能) | 5%以上(比較対照価格より) |
※表中の「プライム限定割引」は現在「価格割引ツール」の対象者設定で「プライム会員」を選ぶことで実施する形に統合されています。

手数料がかからない「価格割引」は利益確保の強い味方
販促施策を選ぶ際にまず気になるのはコストです。価格割引は手数料が一切かからない点が大きな魅力です。
例えば、タイムセールの利用には1回あたり数千円規模の費用が、クーポン発行には1注文ごとに60円の手数料がかかります。
一方で価格割引ツールは無料で何度でも割引キャンペーンを実施することが可能なので、追加コストが利益を圧迫する心配がありません。
また、価格割引は割引率も自由に設定できます。50%以上の大幅値引きが可能な場合もあり、戦略次第では思い切った値下げによる大量販売で利益を出すこともできます。
クーポンの場合は割引額分がそのまま利益減となるうえ、先述の通り利用ごとに手数料もかかるため高額商品では特にコスト負担が重くなる傾向にあります。
その点、価格割引なら手数料ゼロで必要なだけ値下げできるため、利益率とのバランスを取りながら柔軟に販促が仕掛けられます。
ターゲット別戦略!会員限定なら「プライム割引」・視認性なら「クーポン」
プロモーション施策は狙いたいターゲットや目的によって使い分けることが重要です。
プライムデーやプライム感謝祭といったプライム会員向けの大型セールでは「プライム会員限定割引」を提供することで特別感を演出できます。
また、自社商品をプライム会員に絞って値引きすることで、優良顧客の囲い込みやプライム会員への加入の誘導といった効果も期待できるでしょう。
一方、より幅広い層にアピールし視認性を高めたい場合にはクーポンの活用が有効です。
クーポンを設定すると商品に目立つ「クーポンバッジ」が表示され、ユーザーはひと目で割引があると認識できます。
「〇〇円OFFクーポン」等の表示は訴求力が高く、まだレビューや実績が少ない新商品でもクーポンが付いているだけで「お得そう」とクリックしてもらえる可能性が高まります。
さらにクーポンは他の割引と併用できることが多いため、価格割引やタイムセールと組み合わせて割引率を上乗せすることも可能です。
会員属性で絞り込んで確実に刺さる施策にするならプライム限定割引、幅広い集客や露出向上が目的ならクーポンといった具合に使い分けるのがおすすめです。
失敗しないために!Amazon価格割引ツールの設定条件と注意点
便利な価格割引ツールですが、正しく設定しないと思ったような効果が出なかったり、そもそも割引表示がされなかったりするケースもあります。
ここでは、価格割引を失敗なく活用するための条件や注意点を整理します。
二重価格が表示されない?「参考価格」の入力と実績の重要性
価格割引を設定したにもかかわらず商品ページで取り消し線付きの元値が出ない場合は、比較対照となる「参考価格」や過去の販売価格がAmazon上で認識されていないことが原因です。
Amazonでは不当表示を避けるため、割引価格を表示するには信頼できる参考価格が存在することを条件としています。
言い換えれば、発売直後の商品をいきなりセール価格にしても、過去の実績がないため二重価格が表示されない可能性があるのです。
対策として、まずカタログ上の「参考価格」項目を正しく入力しておきましょう。メーカー希望小売価格や通常販売価格を設定することで、Amazonが比較対照価格として参照しやすくなります。
また、参考価格を設定するだけでなく、一定期間はその価格で販売したという実績を作ることも重要です。「通常価格〇〇円」という表示には、その価格で実際に販売した履歴が伴っている必要があります。
不当に高い価格を一瞬設定して割引を見せるような行為は景品表示法違反に抵触する可能性があるため、当然Amazonでも認められていません。
セールを計画する際は、その商品が通常時に十分な価格実績を積んでいるか確認し、必要に応じて参考価格の登録を行っておきましょう。
期間設定のルール!最大期間と最低割引率の要件
価格割引ツールで設定できる割引キャンペーンの期間は最大で30日間と定められています。
Amazonのシステム上、あまりに長期間にわたり割引価格で販売し続けると、途中から元の価格表示が消えてしまい、単に安い価格で売っているだけの状態になるケースがあります。
これではせっかくの二重価格効果がなくなってしまうため、長期間キャンペーンを走らせる場合は定期的に商品ページを確認し、一旦割引をやめるなどの対応が必要です。
また、最低割引率にも注意しましょう。価格割引ツール自体には割引率に関するルールは明記されていませんが、プライム会員限定割引として提供する場合は最低5%オフが条件となります。
全員が対象の価格割引の場合にはそういった制限はないものの、割引率がごくわずかではユーザーに響かずセールとして認識されにくいでしょう。
商品カテゴリや価格帯によりますが、ユーザーの購買意欲を喚起するには少なくとも5〜10%以上の値下げをするのが望ましいです。
ルールを守って上手に活用すれば、価格割引ツールは販売促進の強力な味方となってくれます。
実践!Amazon価格割引ツールを使った効果的なプロモーション戦略
価格割引ツールは、在庫処分以外にもさまざまな戦略に使えます。 安売り=在庫一掃というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、賢く使えば商品のランキングを押し上げる起爆剤にもなります。
ここでは、実践的なプロモーション活用法として、短期間の割引をテコに商品をランキング上位に食い込ませる戦略を紹介します。
在庫処分だけじゃない!ランキング上位を狙うための短期集中割引
新商品や販売実績の少ない商品を短期でランキング上位に押し上げたい場合、次のようなステップが有効です。
- クーポンを付けて販売を開始し、一定の販売実績を作ります。クーポンなら通常価格は維持されたまま割引を提供できるため、参考価格の実績を積むことができます。
さらにクーポン効果で購入ハードルが下がり、レビュー獲得にもつながります。 - 続いて、価格割引ツールで短期間の大幅割引セールを実施します。期間は1週間程度、割引率は思い切って20~30%以上とし、一気に注文を増やして販売数量を稼ぎます。
短期集中セールにより、商品のベストセラーランキングが急上昇します。すると商品自体の露出度が高まり、ランキング上位表示によるさらなる閲覧数増加が見込めます。
以上のように、段階的に施策を組み合わせるのがポイントです。
クーポンで土台を作ってから価格割引でブーストをかける戦略により、安売りの期間を必要最小限に抑えつつ商品力を最大化できます。
Amazonのアルゴリズムは短期間での売上急増を高く評価する傾向があるため、一時的な利益の縮小を覚悟してでも短期セールでランキング上昇を狙う価値は大いにあります。


最適なプロモーション戦略ならAmazon運用代行・コンサルの利用がおすすめ
ここまで価格割引ツールの使い方や戦略を見てきましたが、自社商品に最適なプロモーション戦略を立てるのは簡単ではありません。
割引率の設定ひとつとっても、利益との兼ね合いや他施策とのバランスを考える必要があります。
そこでおすすめしたいのが、Amazon運用代行・コンサルティングのプロに相談することです。
しるし株式会社のようなAmazon専門の運用代行会社なら、豊富な実績に基づいた最適なプロモーション戦略のプランニングが可能です。
価格割引ツールのような新機能を使ったプロモーションは、まだ事例が少ない分野です。プロのコンサルタントなら最新のAmazon動向に精通しており、自社だけでは気づけない効果的な活用方法を提案してくれるでしょう。
さらに、外部に運用を任せることで自社ではコア業務に専念できるというメリットもあります。
割引戦略は立てたいが手が回らない、やり方が合っているか不安という方は、ぜひ専門サービスの活用を検討してみてください。
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価格割引ツールを使いこなしてAmazon内での露出と転換率を高めよう
Amazonの新機能「価格割引ツール」は売上アップの強力な武器となり得る存在です。二重価格表示によって商品を目立たせることで、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。
プライム会員以外のユーザーにも割引を提供できるため、これまでリーチできなかった層への販促も可能になりました。
ただし、効果を最大化するには参考価格の設定や適切な期間・割引率の選定など、細かなポイントにも注意が必要です。
本記事で紹介したように、過去実績やAmazonのルールをふまえて設定すれば価格割引ツールのメリットを余すところなく享受できます。
自社での対応が難しい場合は、プロの力を借りることも検討しましょう。
しるし株式会社のように実績豊富なパートナーと組むことで、社内の負担を減らしつつAmazonでの売上拡大を効率的に実現できます。
ぜひ今回紹介した内容を、次回のセール施策に活用してみてください。自社商品の魅力を最大限に引き出し、Amazonでのビジネス成長につなげていきましょう。
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