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Amazon在庫元帳の見方と棚卸し術|数字が合わない原因を特定し正確な決算を行う方法

Amazon 在庫元帳

Amazonの在庫元帳は、利益を守るための重要な証拠台帳です。

この記事では、FBA在庫の正確な棚卸し方法に加え、紛失や破損などの在庫調整を追跡してAmazonへ補填請求を行う手順について詳しく解説します。

また、レポートのダウンロード設定からExcelでの集計テクニックまで、実務ですぐに使えるノウハウもお伝えします。正確な在庫管理と決算処理を実現するために、ぜひ参考にしてください。

目次

FBAセラーの「家計簿」兼「証拠台帳」である在庫元帳

在庫元帳はFBA在庫の増減をすべて記録した在庫の家計簿です。その記録は決算時の証拠台帳にもなります。

2023年に従来の在庫レポート群と統合され、ひとつのレポートで過去18か月の在庫変動履歴を確認できるようになりました。

在庫推移レポートは廃止?在庫元帳へ統合された背景とメリット

2023年1月31日をもって「在庫スナップショット」などの6種類の旧レポートが廃止され、在庫元帳レポートに一本化されました。

これにより複数のレポートを突き合わせる手間が省け、1画面で全在庫イベントを把握できるようになりました。

Amazon公式ヘルプも在庫元帳レポートを「在庫の銀行取引明細書のようなもの」と説明しており、受入、出荷、返品、調整、廃棄といった在庫変動や最終残高を一覧で確認することが可能になりました。

過去18か月までの履歴を遡ることもできるため、決算時の証跡確認や在庫トラブルの原因究明にも役立ちます。

参照元:今すぐ新しい在庫元帳レポートに切り替えましょう

在庫元帳の基礎知識:レポートの正しい設定とダウンロード方法

在庫元帳を使いこなすには、概要表示と詳細表示という2種類の見方の違いを理解し、適切なレポート設定を行うことが重要です。

ここでは概要表示と詳細表示の違いやそれぞれを使う場面、さらに実務で役立つ期間設定・絞り込みのポイントを解説します。

「サマリー表示」と「詳細表示」の決定的な違いと使い分け

在庫元帳には概要表示(サマリー)と詳細表示の2つのモードがあります。

スクロールできます
比較項目概要表示(サマリー)詳細表示
データ粒度期間ごとの集計値を表示個々の在庫変動イベントをすべて記録
主な用途月末在庫の把握や棚卸しデータの集計に便利紛失・破損といった異常の原因調査に有効
データ量行数が少なく見やすい行数が多くデータ量が膨大

※棚卸しや決算では概要表示で期末在庫を確認、問題発生時は詳細表示で原因を深掘り、と使い分けましょう。

実務で使えるレポート期間と絞り込み設定のポイント

在庫元帳レポートの設定では、ASINやSKU欄を空欄にすることで全商品を対象にできます。

場所別の総計は「フルフィルメントセンター」、期間別の総計は「日次」がおすすめです。期間は棚卸し対象期間を指定し、FCや商品の状態は特別な理由がなければ空欄で問題ありません。

必要な項目を入力後「レポートの生成」をクリックすれば、オンライン画面またはCSVファイルでデータを取得できます。

実践編A:決算・棚卸しで在庫元帳を活用する正確な手順

決算や月次の棚卸しでは、在庫元帳の概要レポートを使うことで正確な期末在庫数量を把握できます。ただし、FBA倉庫へ輸送中の在庫など、在庫に計上されていない商品を見落とさないよう注意が必要です。

ここでは月末在庫を確定する具体的な方法と、納品中や輸送中在庫を資産計上する際のポイントを解説します。

月末在庫の確定には「サマリー表示」の期末在庫を使う

在庫元帳のサマリー表示なら、指定期間の最終日時点における在庫数(期末在庫)を正確に把握できます。

各日の数量はその日の23:59時点でFCにある在庫数が示され、例えば「3月1日~3月31日」でレポートを生成すれば、3月31日欄に月末時点の全SKUの在庫残高が表示されます。

旧「在庫スナップショット」は廃止されましたが、この期末残高の値が同等の役割を果たします。

棚卸し資産の評価や貸借対照表の作成にもそのまま活用でき、決算時にも役立ちます。

FBA納品中(In-Transit)や輸送中在庫の資産計上における注意点

Amazonに商品を発送したもののFCにまだ到着していないFBA納品中(In-Transit)や輸送中の在庫は、未受領のため在庫元帳には反映されません。これらは会計上、まだ自社の棚卸資産です。

期末時点で出荷済みだが未受領の商品がある場合は、在庫元帳の数値に加えてそれらの数量と在庫評価額を忘れずに計上しましょう

例えば12月末にFBA納品発送した商品が年内にFCに受領されなかったケースでは、その商品は在庫元帳上0として扱われますが、財務上は在庫として数え入れる必要があります。

こうしたタイムラグを見落とすと棚卸資産額が実態より少なく計上されてしまうため注意してください。

実践編B:紛失・破損の補填漏れを発見し利益を取り戻す方法

在庫元帳を使えば、FBA倉庫内での紛失・破損による在庫減少を見逃さず、補填漏れを素早く発見できます。

ここでは、在庫調整に記録されるコードの意味、Amazonの45日ルール、そして詳細レポートで補填請求すべきASINを洗い出す手法を紹介します。

在庫調整(Adjustments)項目の解読:コードE(破損)とM(紛失)の意味

在庫元帳の調整(Adjustments)欄には、FBA在庫が破損・紛失した際など在庫数量の異常が記録されます。

なかでも「コードE」と「コードM」には注意が必要です。Amazonの管理上、コードEはFBA倉庫内での破損を、コードMはFBA倉庫内での紛失を意味します。

これらのコードが記録された場合は、Amazonから補填(返金)されるケースが多いです。

45日ルールとは?Amazonによる自動補填と未補填の確認フロー

Amazonには在庫紛失・破損時に自動補填を行うポリシーがあります。

しかし45日ルールと呼ばれる慣習があり、購入者への返金日または交換日から45日経過しないとAmazonへ補填を申請できません。

紛失・破損が発生したら、まずAmazonから補填があったかを返金レポートで確認し、未補填であればこちらから補填申請を行いましょう。

補填されていない在庫を放置するとそのまま損失になってしまうので注意が必要です。

参照元:FBA自動補てんと補てん申請期間の変更について

「詳細表示」をExcelで分析して補填請求すべきASINを特定するテクニック

詳細レポートをCSVでダウンロードし、Excelでリーズンコードが「E(破損)」や「M(紛失)」の行をフィルタリングします。

紛失や破損が発生したASINの一覧を抽出し、それぞれ補填済みか確認しましょう。

未補填の在庫が残っているASINがあれば、その商品の注文番号や日付を揃えてAmazonに補填請求を行います。

Excelのピボットテーブル機能を使えばASINごとの紛失数量を集計でき、補填漏れを効率的に把握することができます。

応用編:顧客返品の追跡と販売不可在庫の深掘り分析

在庫元帳は顧客返品に関する在庫の動きも追跡できます。返品商品の状態を把握すれば、悪質な返品詐欺やすり替えの兆候に気づける可能性が高まります。

ここでは顧客返品ステータスの正しい読み解き方と、販売不可在庫を深掘り分析するポイントを解説します。

返品詐欺やすり替えの兆候?「顧客返品」ステータスの正しい読み解き方

在庫元帳で顧客返品のイベントを確認すると、返送された商品の状態が「SELLABLE」(販売可)か「UNSELLABLE」(販売不可)かを把握できます。

もし返品の結果が販売不可在庫となっている場合、購入者が商品を開封・損傷させた可能性があります。

中には返品時に中身をすり替える悪質なケースも報告されており、新品が別の商品にすり替えられて返送される例も存在します。

特定のASINで返品の度に販売不可となるような場合は返品詐欺を疑い、Amazonへ調査を依頼したり、自己防衛策として証拠の保存を徹底したりすることが重要です。

複雑な在庫管理や補填請求に手が回らないならAmazon運用代行・コンサルの利用がおすすめ

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Amazonの在庫元帳を使いこなして正確な決算と利益回収を実現しよう

Amazonの在庫元帳はFBA在庫の動きを記録してくれる強力なツールです。

使いこなせるようになれば期末の在庫ズレを解消して正確な決算を行えるだけでなく、紛失・破損の補填漏れも防いで利益を守ることができます。

日々の在庫管理から決算対応まで在庫元帳をフル活用し、無駄のないAmazon運営を実現しましょう。

もし自社だけで対応が難しい場合は、しるし株式会社のようなAmazon運用代行サービスの力を借りることで、確実な管理と売上拡大を図ることも可能です。

専門家と二人三脚で在庫管理を最適化し、正確な決算と利益回収を達成していきましょう。
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