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Amazon Bulk Services(ABS)とは?登録方法・販売手数料の割引条件・売上拡大施策をわかりやすく解説

Amazon Bulk Services(ABS)とは?登録方法・販売手数料の割引条件・売上拡大施策をわかりやすく解説
吉原
この記事の監修者

吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント

大学卒業後、大手インターネット広告代理店に入社し、デジタル広告運用の最前線で実務経験を積み、データドリブンな戦略立案と分析スキルを習得。その後、しるし株式会社に入社し、Amazon事業部にて化粧品・ヘアケア・食品・家電・医療用品など幅広いカテゴリのブランドのECモール運用を担当。2025年よりAmazonチームのマネージャーとして、戦略設計から施策の立案・実行までをリードし、ブランド価値の最大化にコミット。

吉原
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監修者

吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント

大学卒業後、大手インターネット広告代理店を経て、しるし株式会社のAmazonチームのマネージャーに就任

Amazon Bulk Services(ABS)は、単品商品とケース商品を紐づけ、Amazonでの大量購買を促進するプログラムです。

本記事では、ABSの仕組みやメリット、販売手数料の割引条件、ユニット・ケース商品の考え方、Seller Centralでの登録手順、アップロードファイルの入力方法、登録後の売上拡大施策までわかりやすく解説します。

目次

Amazon Bulk Services(ABS)プログラムとは

Amazon Bulk Services(ABS)は、ビジネス顧客の大量購入ニーズに対応し、ケース商品を販売しやすくするためのプログラムです。

まとめ売り商品である「ケース商品」と、そのケースを構成する「ユニット商品」を紐づけて利用します。

たとえば、ハンドソープ1本をユニット商品、同じハンドソープ12本セットをケース商品として紐づけるイメージです。

単品とケースの関係をAmazon上で整理することで、大容量商品を探している購入者にケース商品を届けやすくなります。

ABSの利用に事前の参加登録や参加費用は必要ありません。対象となるユニット商品とケース商品をABSで紐づけることで利用できます。

ABSでユニット商品とケース商品を紐づける仕組み

ABSを利用するうえで、まず押さえておきたいのが「ユニット」と「ケース」の関係です。

区分意味例
ユニット商品販売可能な商品の最小単位のパッケージハンドソープ1本
ケース商品複数のユニットを梱包したパッケージハンドソープ12本セット

ユニット商品とケース商品がAmazon上で別々に登録されているだけでは、両者のパッケージ上の関係はわかりません。ABSで「このケースには、このユニットが何個入っているか」を設定することで、パッケージ階層を作成します。

Amazonでの大量購買への対応が重要な理由

Amazonでは、B2Bを中心にまとめ買い・大容量商品への需要があります。

Amazonが示すデータでは、B2B顧客の61%が「大容量商品の品揃え不足」を大量購買を妨げる課題として挙げています。

また、大企業顧客における大容量商品の売上成長率は+41%、単品・小容量商品と比較した大容量商品の売上成長率は+12.7%というデータもあります。

これらは2019〜2021年の累積年平均成長率をもとにした一例であり、同等の成果を保証するものではありませんが、ケース販売を用意することが新しい購入機会を作る選択肢になることがわかります。

ABSプログラムを利用するメリット

ABSを活用すると、購入者が大容量商品を選びやすくなるだけでなく、出品者側にも販売機会やコスト面でのメリットがあります。

特に、条件を満たしたケース商品は販売手数料の割引対象になる場合がある点は、ケース販売を強化するうえで押さえておきたいポイントです。

購入者が大容量商品を見つけやすくなる

ABSには、大量購入をしやすくするための機能が用意されています。2025年6月11日時点では、Amazon Businessで「大量購買最適化機能」が公開されています。

また、以下の機能も公開予定とされています。

  • 大容量商品おすすめ機能
  • パッケージサイズ検索機能
  • 検索時の大容量商品自動補完機能
  • 「さらに購入・もっと節約」表示機能
  • 新しいバリエーション機能

※上記の公開予定機能は未確定の内容を含みます。実際の提供状況はSeller CentralやAmazon Businessの最新画面で確認してください。

無料で利用でき販売手数料の割引対象になる場合がある

ABSプログラム自体は無料で利用できます。さらに、ケース商品が所定の条件を満たすと、販売手数料の割引を受けられます。

販売手数料の割引対象になるには、次の条件を満たす必要があります。

  • ABSプログラムに登録されていること
  • ケース商品が日本ストアで販売されていること
  • ケース商品の販売価格が税込3,000円以上であること
  • 「ケース商品に含まれるユニット数が10点以上」「ケース商品の体積が23,000立方センチメートル以上」「ケース商品の重量が16kg以上」のいずれか1つ以上を満たすこと

つまり、ユニット数が10点未満でも、ケース商品の体積または重量の条件を満たしていれば割引対象になる可能性があります。

販売手数料の割引率と計算例

割引率は、ケース商品に含まれるユニット商品の点数によって変わります。

ケース商品に含まれるユニット数販売手数料の割引率
2〜9点15%
10〜23点20%
24点以上25%

たとえば、販売価格5,000円で通常の販売手数料率が10%の商品は、通常であれば販売手数料が500円です。24点以上のケース商品に25%の割引が適用される場合、販売手数料率は次のようになります。

10% ×(1-0.25)=7.5%

そのため、割引後の販売手数料は5,000円 × 7.5%=375円です。通常の500円から125円抑えられます。

ABS登録前に理解したいユニット商品とケース商品

ABSの登録では、ユニット商品とケース商品を正しく定義する必要があります。ここで注意したいのは、「ユニット=必ず商品1個」ではないことです。

ユニット商品は「販売可能な商品の最小単位のパッケージ」です。1個単位で販売していない商品なら、複数個入りのパッケージそのものを1ユニットとして扱う場合があります。

図:ユニット商品とケース商品の代表的な考え方

ユニットがシンプルな商品

1本単位で販売できるハンドソープなら、ハンドソープ1本が1ユニットです。12本セットの商品は、12ユニットをまとめたケース商品として設定します。

ユニット自体が複数入りの商品

3本入りの携帯食料を1箱単位で販売し、1本ずつは販売できない場合、3本入り1箱が1ユニットです。24箱入りケースであれば、ケースを構成するユニット数は24になります。ティッシュなども同じ考え方になる場合があります。

複数パックをユニットとして扱う商品

単品ASINを販売していない商品では、複数個セットをユニットとして扱うこともできます。たとえば缶詰2個セットを1ユニットとし、ケース商品が缶詰24個入りなら、24個 ÷ 2個=12ユニットです。

この「ケースを構成するユニット数」は、後ほどアップロードファイルの「パッケージ内包数量」に入力するため、登録前に整理しておきましょう。

ABSプログラムへの商品登録手順

ABSへの商品登録では、最終的にユニット商品とケース商品の必要情報を入力したアップロードファイルを作成し、Seller Centralからアップロードします。

ユニット商品から始める場合とケース商品から始める場合で準備の流れが少し異なるため、自社の出品状況を確認してから進めましょう。

STEP1:ユニット商品またはケース商品を起点に対象商品をそろえる

現在ユニット商品のみを販売している場合は、まとめ買いされることが多い商品などを起点にケース商品を作成します。すでにケース商品を販売している場合は、そのケース商品から対応するユニット商品を確認します。

どの商品をケース販売にするか迷う場合は、Seller Centralの「ケース梱包に関する推奨情報」ダッシュボードを活用できます。まとめ買い需要が高い商品を確認し、ケース商品の候補選定に役立てられます。

STEP2:必要に応じて新規出品登録・オファー追加を行う

ABSで紐づけるユニット商品とケース商品の両方が、自社の出品商品として用意されている状態にします。対応方法はAmazon上の商品登録状況によって変わります。

商品の状態必要な対応
ユニット・ケースともに自社で出品済みABS用ファイルの作成・アップロード
自社では未出品だがAmazon上に商品ページがあるオファーを追加してからABS用ファイルを作成・アップロード
Amazon上に商品ページ自体がない新規出品登録を行ってからABS用ファイルを作成・アップロード

Amazon上に商品ページがない商品は新規出品登録、すでに商品ページが存在する商品へ自社の販売情報を追加する場合はオファーの追加を行います。登録数が少ない場合は個別登録、複数商品をまとめて登録する場合はファイルによる一括登録を利用できます。

STEP3:ABS紐づけ用のアップロードファイルを作成する

ユニット商品とケース商品の準備ができたら、ABS用のアップロードファイルにSKU、ASIN、パッケージレベル、内包数量などを入力します。ケース商品側には、どのユニット商品を何点含むのかを明確に設定することが重要です。

STEP4:Seller Centralからファイルをアップロードする

入力が完了したら、作成したファイルをSeller Centralからアップロードします。商品タイプは空欄のままアップロードできる場合がありますが、エラーが発生したときはエラー内容に従って該当の商品タイプを入力し、再度アップロードします。

STEP5:エラーを確認して必要に応じて修正・再アップロードする

アップロード後にエラーが出た場合は、エラーコードや対象項目を確認して修正します。ABSの紐づけはパッケージ階層の作成にあたるため、SKU・ASIN・パッケージレベル・内包数量・紐づけ先SKUなどの入力ミスがないかを順番に確認すると整理しやすくなります。

登録が完了したら、ケース商品の販売を伸ばすためにFBA、SP・SB広告、法人価格・数量割引などの施策もあわせて検討します。

ABS用アップロードファイルの入力方法

ABSの紐づけにはアップロードファイルを使用します。ファイルには多数の項目がありますが、ABS登録では必要な項目を中心に入力します。

図:ABS用アップロードファイルの主な入力項目

ユニット商品で入力する主な項目

項目入力内容
出品者SKU対象ユニット商品のSKU
アップデート・削除「PartialUpdate」を選択。日本語表記では「編集(部分更新)」
商品コード(JANコード等)対象商品の商品コード
商品コードタイプ「ASIN」を選択
パッケージレベル「unit」を選択

商品コードのタイプは、該当ASINの商品タイプを選択するか、空欄のままアップロードできます。空欄でエラーになった場合は、エラーで指定された商品タイプを入力して再アップロードします。

ケース商品で追加する主な項目

項目入力内容
子関係タイプ「package_contains」を選択
パッケージレベル「case」を選択
パッケージ内包数量ケースを構成するユニット数を入力
パッケージには属性が含まれていますABSで紐づけるユニット商品のSKUを入力

パッケージ内包数量は、ケースに含まれる総商品数ではなく「ユニットが何個入っているか」で考えます。

たとえば、ハンドソープ1本を1ユニット、12本入りをケースとする場合は「12」です。缶詰2個セットを1ユニット、24個入りをケースとする場合も、24 ÷ 2=12となるため「12」を入力します。

パッケージ内包数量が9以下の場合の注意点

パッケージ内包数量が9以下の場合は、ケース商品の長さ・高さ・幅・重量に関する項目が条件付きで必須になります。

長さ・高さ・幅の単位は「CM」、重量の単位は「KG」を選択します。入力例を確認しながら、数値と単位の組み合わせを間違えないようにしましょう。

ABS登録後に売上拡大を目指す3つの施策

ABSへの登録だけでケース商品の販売が自動的に増えるわけではありません。登録したケース商品を購入してもらうための施策までセットで考えることが大切です。

図:ABS登録後に検討したいFBA・広告・法人価格/数量割引

FBAを活用する

法人・個人事業主の購入者の中には、配送品質を重視するケースがあります。ニーズの高いケース商品をFBA化することで、配送面の利便性を高めながら販売拡大を狙えます。

ただし、ABSへの登録自体はFBA限定ではありません。出品者出荷の商品も登録でき、ユニット商品とケース商品で配送方法が異なっていても問題ありません。

SP・SB広告を活用する

スポンサープロダクト広告(SP広告)やスポンサーブランド広告(SB広告)を使い、法人・個人事業主にケース商品を届ける方法もあります。

Amazonのデータでは、法人・個人事業主はCVRが高く、返品率が低く、1注文あたりの購入点数も多い傾向があり、法人・個人事業主向け広告では一般顧客と比べて2〜3倍高いROASが見込めるとされています。広告費や利益率を確認しながら、対象商品を選定しましょう。

法人価格・数量割引を設定する

Amazon Businessでは、法人・個人事業主向けの法人価格や数量割引を設定できます。ケース商品の価格メリットをわかりやすくすることで、まとめ買いを後押しできます。

特に販売手数料の割引対象になった商品では、手数料の軽減分を価格施策の原資として活用する考え方もあります。FBAや広告と組み合わせ、ケース商品の露出と購入メリットの両方を整えましょう。

ABS活用事例|大容量商品の追加と法人価格でまとめ購買を拡大

道路補修材を扱う販売事業者では、既存のケース商品の販促強化と、新たな大容量商品需要の開拓にABSを活用しました。

具体的には、既存の5個入りケースに加えて10個入り・50個入りの商品を新たに追加し、商品ページのバリエーションも拡充しています。さらに、販売手数料の割引を原資に法人価格などのプロモーション施策を設定しました。

その結果、2024年第4四半期の売上データでは、まとめ購買の売上が約70%向上しています。これは個別事例であり、すべての商品で同じ結果を保証するものではありませんが、「大容量商品の追加」「価格施策」「ケース商品の見せ方」を組み合わせた活用例として参考になります。

ABSプログラムでよくある質問

ABSへの参加費用や事前登録は必要?

参加費用はかかりません。また、Seller Central上でABSプログラム自体に事前登録する必要もありません。対象となるユニット商品とケース商品をABSで紐づけることでプログラムを利用します。

販売手数料の割引はどこで確認できる?

Seller Centralにサインインし、「在庫」から「在庫管理」へ進み、対象ASINを検索します。「見積り額」の「収益の計算」から、割引後の販売手数料を確認できます。FBA料金シミュレーターでも確認できます。

販売手数料の割引は、Amazon.co.jpとAmazon Businessの両方の注文に適用されます。

ABS商品は通常のAmazon.co.jpでも販売される?

はい。Seller Centralで出品している商品は原則として、Amazon.co.jpとAmazon Businessの両方で販売されます。ABSに紐づけたからといってAmazon Business専用の商品になるわけではありません。

バリエーションとパッケージ階層は何が違う?

バリエーションは、サイズ・色など関連する商品を1つの商品詳細ページ上で比較・選択できるようにする仕組みです。一方、パッケージ階層は、1つの梱包に含まれる商品数量に基づいてユニットとケースの関係を設定する仕組みです。

パッケージ階層を追加しただけでは、商品詳細ページの表示は基本的に変わりません。内包数量などに基づいて商品詳細ページ上にも選択肢を表示したい場合は、バリエーションを別途設定します。

ABSに追加する商品は同じブランドである必要がある?

2025年5月時点では、紐づけるユニット商品とケース商品・パレット商品が同じブランドである必要はありません。ただし、登録時に各ブランドのカタログ編集権限が必要になる場合があります。

ブランド登録は必要?

2025年5月時点では、ABSへの商品追加にAmazonブランド登録は必須ではありません。ただし、対象ASINのブランドに対するカタログ編集権限が必要になる場合があります。登録時にエラーが出た場合は、商品登録や出品申請の状況も確認しましょう。

ABS商品の配送方法に制限はある?

配送方法に制限はありません。出品者出荷・FBAのどちらもABSへ登録できます。また、「ユニット商品はFBA、ケース商品は自社配送」のように、ユニットとケースで配送方法が異なっていても登録できます。

ABSの登録・活用やAmazon運用に悩んだら運用代行・コンサルの活用もおすすめ

ABSは、ユニット商品とケース商品を紐づければ完了という施策ではありません。成果につなげるには、どの商品をケース販売するか、何個入りにするか、どの価格で販売するかまで設計する必要があります。

さらに、FBAの利用判断、SP・SB広告、法人価格・数量割引、商品ページのバリエーションなども組み合わせると、管理する項目は増えていきます。商品数が多いほど、SKUやアップロードファイルの管理、エラー対応にも工数がかかります。

「どの商品からABSを活用すべきかわからない」「ケース商品の設計から広告・価格戦略までまとめて見直したい」という場合は、Amazon運用代行・コンサルティングを活用するのも方法のひとつです。

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