【図解】Amazon法人向けスポンサープロダクト広告の使い方|入札単価調整・限定配信・掲載枠別レポートを徹底解説


吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店に入社し、デジタル広告運用の最前線で実務経験を積み、データドリブンな戦略立案と分析スキルを習得。その後、しるし株式会社に入社し、EC事業パートナー本部にて化粧品・ヘアケア・食品・家電・医療用品など幅広いカテゴリのブランドのECモール運用を担当。2025年よりAmazonチームのマネージャーとして、戦略設計から施策の立案・実行までをリードし、ブランド価値の最大化にコミット。

監修者
吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店を経て、しるし株式会社のAmazonチームのマネージャーに就任
Amazonビジネス向けスポンサープロダクト広告の機能をわかりやすく解説します。
入札単価調整(最大900%)、Amazonビジネス限定配信キャンペーン、掲載枠別レポートの設定手順や運用上の注意点を、法人・個人事業主へのリーチを広げたい出品者向けにまとめました。
Amazon法人向けスポンサープロダクト広告とは
Amazon法人向けスポンサープロダクト広告とは、法人・個人事業主が利用する購買プラットフォーム「Amazonビジネス」上での広告配信を、これまで以上に細かくコントロールできるようにする機能群のことです。
まずは、その背景と全体像から押さえていきましょう。
拡大を続けるAmazonビジネスの市場規模
Amazonビジネスは、法人や個人事業主向けの調達を効率化するB2B購買サービスです。
Amazonの2026年7月の発表によると、世界で1,100万以上の組織が利用し、年間総取引額は600億ドルに達しています。
日本でも、大企業から学校法人、小規模事業者まで幅広く利用されています。
経済産業省の調査では、2024年の国内BtoB-EC市場は514.4兆円、EC化率は43.1%でした。
これはAmazonに限らない企業間EC全体の数値ですが、企業間取引のオンライン化が進んでいることを示しています。
だからこそ、Amazonビジネス上でどう露出を高め、どう成果を測るかが、これからの出品戦略を大きく左右します。
これまで広告主が抱えていた2つの課題
とはいえ、これまでのスポンサープロダクト広告には、Amazonビジネスを攻略するうえで2つの壁がありました。

- Amazonビジネス上でのパフォーマンスを最適化する方法がなかった — キャンペーン設定はAmazon.co.jpにもAmazonビジネスにも同じように反映され、ビジネス向けだけを狙って最適化する仕組みが存在しませんでした。
- Amazonビジネス上での広告成果を確認できなかった — 広告レポートはAmazon.co.jpとAmazonビジネスを含む全掲載場所の合算値のみ。購買環境ごとに成果を切り分けて見ることができなかったのです。
「効果があるのかないのか、そもそも判断材料がない」——多くの広告主が、こうしたもどかしさを抱えていました。
課題を解決する2つの機能群
この2つの課題を解消するために用意されたのが、次の新機能です。

- 入札単価調整機能とAmazonビジネス限定配信キャンペーン:Amazonビジネス掲載枠への入札額を最大900%引き上げられます。また、利用資格のある広告主は、Amazonビジネスだけに配信するキャンペーンを作成できます。
- Amazonビジネス掲載枠別パフォーマンスレポート — Amazonビジネス上での広告成果を分けて確認できるようになり、入札戦略を考えるための強力な材料が手に入ります。
つまり、「狙って最適化する」「分けて測る」という、B2B広告運用に欠かせない2つの視点が、ようやく揃ったわけです。
なぜ今、Amazonビジネス向けの広告最適化が重要なのか
新機能の使い方に入る前に、「そもそもなぜ法人向けに力を入れるべきなのか」を確認しておきましょう。ビジネスカスタマーには、個人カスタマーとは異なる魅力的な傾向があります。
個人カスタマーと比べたビジネスカスタマーの購買傾向
Amazonの調査データによると、ビジネスカスタマーは個人カスタマーと比べて次のような特徴を持ちます。

| 指標 | ビジネスカスタマーの傾向 |
|---|---|
| 商品ページ閲覧後の購入率 | 約3倍高い |
| 返品率 | 平均50%低い |
| 注文当たりの購入点数 | 平均80%多い |
| 広告費用対効果(ROAS) | 平均2〜3倍高い |
購入率・返品率・購入点数は2023年、ROASは2024年のAmazon内部データ。調査対象の傾向であり、自社の広告成果を保証するものではありません。
購入につながりやすく、返品が少なく、まとめ買いされやすいという傾向は、B2B向け広告を検討する材料になります。
ただし、このデータだけで自社のROASを予測することはできません。
実際の広告費と売上を確認して判断しましょう。
Amazonビジネス上の主な広告掲載枠
Amazonビジネスでは、一般向けのAmazonストアと同様に、検索結果や商品詳細ページなどに広告が表示されます。利用できる掲載枠は広告商品によって異なります。

スポンサープロダクト広告は、Amazonビジネスの検索結果や商品詳細ページなどで購入者に商品を訴求できます。
通常のキャンペーンは、Amazonの一般向けストアとAmazonビジネスの両方への配信対象となります。
つまり、特別な設定をしなくても法人のお客様の目には触れている状態。あとは、そこを「どう強化するか」がポイントになります。
新機能①:Amazonビジネス スポンサープロダクト広告 入札単価調整機能
ここからは、3つの新機能を順番に見ていきましょう。まずは運用の中心となる入札単価調整機能です。
入札単価調整機能でできること(最大900%)
Amazonビジネスの入札単価調整は、現在おなじみの「検索結果のトップ」「商品ページ」「その他の検索」といった掲載枠別の入札調整と、考え方は同じです。
他の掲載枠の入札額には影響を与えず、Amazonビジネス掲載枠だけをまとめて引き上げられます。
引き上げ幅は最大900%で、基本入札額の10倍に相当します。新規・既存のキャンペーンで利用でき、既存の広告を活かしながら法人向け掲載枠への入札を強化できます。

入札額の上限と調整の仕組み
設定は、キャンペーン作成時の「入札調整カード」、またはキャンペーンマネージャーの「入札額調整」から行えます。
動的な入札(アップとダウン)と組み合わせることで、掲載枠ごとに入札額を柔軟に増やせるのも特長です。
たとえば基本入札額が100円の場合、Amazonビジネス向けに900%引き上げると1,000円です。
ほかの掲載枠調整や動的入札も適用される場合、最終的な入札額はさらに変わります。
900%は実際のクリック単価や全調整後の上限を意味しないため、設定画面で確認しましょう。
新機能②:Amazonビジネス限定配信スポンサープロダクト広告キャンペーン
続いては、配信先そのものをAmazonビジネスに絞り込める限定配信キャンペーンです。
入札調整が「露出を強める」機能だとすれば、こちらは「届ける相手を選ぶ」機能。
B2Bに狙いを定めたいときに、大きな力を発揮します。
「サイト」設定で配信先を絞り込む仕組み
ここで鍵になるのが「サイト」という設定項目。
サイトとは、広告が表示される場所のことで、デフォルトではAmazonおよび選択されたAmazon以外のサイトやアプリに広告が配信されます。
このサイト設定でAmazonビジネスを選ぶと、キャンペーンはAmazonビジネスストアでのみ表示され、Amazonの一般向けストアや他のサイト・アプリには一切出なくなります。
B2B戦略に振り切ったキャンペーンを、ピンポイントで組めるというわけです。

通常キャンペーンとの違いと使い分け
限定配信キャンペーンでは、サイトをAmazonビジネスに設定した時点で、既存のスポンサープロダクトレポートが自動的にAmazonビジネス上での成果だけを反映します。
レポートの切り分けに手間がかからないのは、うれしいポイントです。
B2CとB2Bの両方に需要がある商品は通常キャンペーンで入札調整を試し、法人向けの予算やキーワードを分けたい商品は限定配信キャンペーンで検証する、といった使い分けが考えられます。
成果を比較しながら調整しましょう。
この機能はAmazon Ads APIからも利用できます。
ただし、限定配信キャンペーンを作成できるのは利用資格のある広告主です。
オプションが表示されない場合は、Amazon広告またはAmazonビジネスのアカウントマネージャーに利用条件を確認してください。
新機能③:Amazonビジネス掲載枠別パフォーマンスレポート
3つ目は、これまで見えなかった成果を「見える化」するレポート機能です。
せっかく入札を調整しても、その効果を測れなければ改善にはつながりません。
この機能は、まさにその「測る」を担う存在と言えるでしょう。
B2Bの成果を分けて確認できるメリット
オンラインの掲載枠別レポートでは、Amazonビジネスをひとつの項目として、すべてのAmazonビジネス掲載枠のパフォーマンスがまとめて表示されます。

インプレッション数、クリック数、クリックスルー率、支出、クリック単価、オーダー、売上、ROAS——これらをAmazonビジネスという単位で把握できます。
合算値では埋もれていたB2Bの実力が、はっきりと数字で見えるようになるのです。
この数字こそが、「どの商品の入札をどれだけ引き上げるか」を判断するための、何より確かな材料になります。
【画面つき】入札単価調整の設定手順
理屈がわかったところで、実際の操作を見ていきましょう。まずは入札単価調整からです。
手順1:キャンペーンマネージャーから対象キャンペーンを開く
広告キャンペーンマネージャーを開き、入札調整をしたいキャンペーンを選択してクリックします。

手順2:入札額調整タブでAmazonビジネス掲載枠を設定する
キャンペーンを開いたら、左側の「入札額調整」タブをクリックし、続いて「Amazonビジネス掲載枠」を選びます。
あとは調整したいパーセンテージを入力するだけ。
ここで最大900%まで引き上げられます。

保存後は、設定した調整率が対象キャンペーンに反映されているか確認しましょう。
【画面つき】Amazonビジネス限定配信キャンペーンの作成手順
次に、Amazonビジネス限定配信キャンペーンの作り方です。といっても、通常のキャンペーン作成とほとんど同じ流れです。違いは「サイト」の選択だけなので、構えずに進めていきましょう。
手順1:キャンペーンを作成しスポンサープロダクト広告を選ぶ
広告キャンペーンマネージャーから「キャンペーンを作成する」を選び、広告タイプでスポンサープロダクト広告を指定します。そのまま広告グループの設定画面へ進みましょう。
手順2:「サイト」でAmazonビジネスを選択する
キャンペーンの作成画面にある「サイト」で「Amazonビジネス」を選択します。
予算、広告商品、ターゲティング、入札額なども確認し、作成を完了してください。
画面の項目名や配置は変更される場合があります。

なお、商品を正しく表示させるには、Amazonビジネスのお客様アカウントにサインインしている必要があります。あわせて覚えておくとよいでしょう。
成果を伸ばすための運用のコツと注意点
機能を「設定できる」ことと、「成果を出せる」ことは別物です。ここでは、一歩進んだ運用のヒントをまとめます。
B2Bで成果の高い商品から入札を強化する
まずはセラーセントラルのビジネスレポートで、B2B売上比率やB2Bでの転換率が高いASINを確認しましょう。
オフィス用品や消耗品など、法人需要が見込める商品から小さく検証すると、広告費を管理しやすくなります。
入札は段階的に引き上げ、掲載枠別レポートで検証する
最大900%まで上げられるからといって、最初から上限に設定する必要はありません。
現在の入札額と利益率を踏まえて小幅に調整し、掲載枠別レポートで広告費、売上、ROAS、転換率の変化を確認しましょう。
広告費以外の変動費を差し引いた利益率を使う場合、損益分岐ROAS(%)の目安は「100÷利益率(小数)」です。
たとえば利益率0.3なら約333%ですが、固定費や返品なども別途考慮します。
ROASが目安を超えていても、増額後の採算が維持されるとは限りません。
設定時に押さえておきたい注意点
最後に、運用前に知っておきたいポイントを3つ挙げておきます。
- 入札調整は掛け合わさる — Amazonビジネスの入札調整は、既存の掲載枠調整や動的入札と組み合わさって働きます。想定以上にクリック単価が高くなることもあるため、設定時に表示される最終入札額のアラートは必ず確認しましょう。
- 限定配信には利用資格がある:作成オプションが見当たらない場合は、Amazon広告またはAmazonビジネスのアカウントマネージャーに確認してください。
- 効果は保証されない — 各種の傾向値はあくまで平均であり、商材やカテゴリによって結果は変わります。データを見ながら、自社に合った水準を探る姿勢が欠かせません。
Amazonビジネス向け広告の運用・改善に悩んだら運用代行・コンサルに相談しよう
ここまで読んで、「機能はわかったが、実際に運用しきれるだろうか」と感じた方もいるかもしれません。
B2B比率の高い商品の見極め、入札水準の調整、掲載枠別レポートの継続的な分析、限定配信キャンペーンの設計——成果を最大化しようとするほど、やるべきことは積み上がっていきます。
日々の業務と並行してこれらを回すのは、想像以上に負担の大きい仕事です。
そんなときに頼りになるのが、Amazon運用のプロフェッショナルです。専門家の視点を借りれば、遠回りを避けながら、早期に成果を狙えます。
「どの商品から、どのくらい入札を引き上げればよいか判断がつかない」とお悩みなら、しるし株式会社への相談も選択肢です。
同社はAmazonなどのECモールに特化した運用代行を提供し、戦略設計から実行まで支援しています。
広告運用だけでなく、商品ページや在庫状況も含めて課題を整理しましょう。
Amazonビジネス向けの広告最適化で法人需要を取り込もう
Amazonビジネス向けの機能を活用すると、法人向けの入札や配信先を調整し、その成果を確認できます。本記事の要点は次のとおりです。
- 入札単価調整機能:Amazonビジネス掲載枠だけを、最大900%まで引き上げられる
- 限定配信キャンペーン:「サイト」設定でビジネス購入者だけに配信を絞れる
- 掲載枠別レポート:Amazonビジネスの成果を分けて可視化できる
ビジネスカスタマーには、まとめ買いなど法人購買ならではの傾向があります。
ただし、調査上の平均値が自社の成果にそのまま当てはまるとは限りません。
B2B比率の高い商品から小さく検証し、採算を確認しながら調整しましょう。
Amazonビジネス向けの広告最適化には、継続的な検証と改善が欠かせません。
社内のノウハウやリソースが不足している場合は、しるし株式会社などの専門家に、自社の課題に合った支援内容を相談してみてください。

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また、しるし株式会社は、Amazonとパートナーシップを締結し、認定パートナーとしてサービスを提供しております。現在、Amazon Adsの認定パートナー、Amazon DSPの公式取扱企業になっています。
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Amazonから、Amazonの広告商品やサービスについての幅広い知識を認められた企業です。Amazonの技術文書や最新のリリース情報にアクセスできるため、業界の流行や仕様変更に乗り遅れることがありません。
Amazon Adsパートナーとは?|Amazon公式
しるしを支えるスペシャリストとAmazonとのパートナーシップをお客さまの課題解決に最大限に活用し、専門性の高いサポートで商品・ブランドがもつポテンシャルを引き出し、ショップの成長を実現いたします。
しるしの強み② EC運用をまるっとおまかせ!売上・粗利UPと工数削減の実績
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吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
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吉原 香奈
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