【徹底解説】Amazonサプライチェーンサービスとは?仕組み・導入メリットから外部倉庫との比較まで


吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店に入社し、デジタル広告運用の最前線で実務経験を積み、データドリブンな戦略立案と分析スキルを習得。その後、しるし株式会社に入社し、Amazon事業部にて化粧品・ヘアケア・食品・家電・医療用品など幅広いカテゴリのブランドのECモール運用を担当。2025年よりAmazonチームのマネージャーとして、戦略設計から施策の立案・実行までをリードし、ブランド価値の最大化にコミット。

監修者
吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店を経て、しるし株式会社のAmazonチームのマネージャーに就任
Amazonのサプライチェーンサービスについて、仕組みや導入メリット、FBA・外部3PL倉庫との比較を解説します。
本サービスは、国際輸送から低コストのバルク保管、FBAへの自動補充までを一元管理し、保管制限への対応やコスト最適化が期待できます。
在庫管理や納品の手間に悩むメーカー・ブランドオーナー様に向けて、導入手順を含めて実務目線で整理しました。
Amazonのサプライチェーンサービスとは
Amazonサプライチェーンサービスは、製造拠点から最終配送までをつなぐ設計思想が中核です。
エンドツーエンドの全体像と、実務で重要になるAGLとAWDの役割分担を押さえましょう。
エンドツーエンドで物流を最適化する仕組み
もともとのAmazonのサプライチェーンサービスは、工場での集荷・越境輸送・通関・陸送・バルク保管・販路別の補充・顧客配送までをAmazon側でまとめて担う構想として始まりました。
2026年にはこの考え方がさらに拡張され、Amazon出品者以外も使える物流基盤へと広がっています。
複数の業者に分散していた物流工程をAmazonの仕組みで集約できるため、管理コストの削減と在庫の可視性向上が同時に実現しやすくなります。
主な構成要素|AGL(国際輸送)とAWD(バルク保管・自動補充)
AGLは、中国・ベトナムから米国FBAやAWDへ送る国際輸送の中核で、原産地サービス・海上・航空輸送・通関などを含みます。
AWDは、Amazonストアや他販路向け在庫を置ける低コストの一括保管拠点で、FBAへ自動補充できます。
| 機能 | 役割 | 主な対象 |
|---|---|---|
| AGL(国際輸送) | 海外工場からAmazon倉庫への輸送を手配 | 海外調達を行うブランド |
| AWD(バルク保管) | 大量在庫の保管とFBAへの自動補充 | 大量仕入れを行うメーカー |
なお、対象地域には違いがあります。AGL自体は米国だけでなく英国・EU・日本向けにも出荷できますが、AWDやASCSの本格展開は米国が中心です。
また、AGLで越境してAWDへ直接入れる「Ship to AWD」の導線は、現時点では中国発・米国向けが中心とされており、FBA向けとAWD向けで使える出荷元が異なる点に注意が必要です。
Amazonサプライチェーンサービス導入の主なメリット
導入メリットは、単に「倉庫が増える」ことではありません。
FBA前線在庫を絞りながら欠品を防ぎ、海外工場からの流れもまとめて最適化できる点が本質です。
容量制限・在庫切れ・越境物流の分断に悩む企業ほど、導入の恩恵を受けやすい設計になっています。
FBAの容量制限や保管コストへの対応|コストを抑えた大量保管
AWDは低コストのバルク保管として設計されており、料金にはFBAへのInbound Placementも含まれます(別途のInbound Placementサービス料は課金されません)。
自動補充を有効にすると、AWD受領時点で商品が在庫あり・購入可能として扱われるため、FBA容量制限を気にしすぎず上流在庫を持ちやすいのが強みです。
繁忙期の追加保管料がない点も、コスト予測を立てやすくする重要なポイントです。
AIによる自動補充|在庫切れの防止を支援
自動補充は、プライム対応FCの在庫水準をデータサイエンスモデルで監視し、必要量を自動で補充する仕組みです。
さらに、直近90日で70%以上をAWD自動補充経由にすると、ASIN単位で一部の低在庫関連手数料や保管系サーチャージの免除条件を満たせます。
手動での補充判断が不要になるため、複数SKUを抱えるブランドほど運用工数の削減効果が大きくなります。
海外工場からFBAまでの物流を効率化
AGLを使うと、海外工場近くでの集荷から海上・航空輸送・通関・Amazonネットワークへの接続までを一つの流れで組みやすくなります。
AmazonはAGLをdoor-to-door型の国際輸送として案内しており、AWD向けクロスボーダー輸送では最大25%の割引を打ち出した時期もあります。
海外調達を行うブランドにとって、国内中間倉庫を省いてリードタイムを短縮できる点は特に大きなメリットです。
「通常のFBA単体」「民間3PL倉庫」との違いとは?
比較のポイントは、どこまでAmazonが面倒を見るかです。
FBA単体はFC到着後の保管・出荷に強く、3PLは設計自由度に強みがあります。
一方、AmazonサプライチェーンサービスはAmazon販売比率が高いブランドほど効果を出しやすい設計です。
| 比較項目 | Amazonサプライチェーンサービス | FBA単体 | 民間3PL倉庫 |
|---|---|---|---|
| 対象範囲 | 国際輸送・保管・補充・配送まで一気通貫 | FC到着後の保管・出荷が中心 | 保管・加工・配送を個別設計しやすい |
| Amazon連携 | 非常に強い | 強い | 連携は個別設計が前提 |
| 在庫補充 | AI自動補充に対応 | 手動納品が中心 | 自社または委託先運用 |
| 向く企業 | Amazon売上比率が高くSKUも多い企業 | 小規模運用・SKU少なめ | 流通加工や独自要件が多い企業 |
【FBA単体利用との比較】保管コストの削減と、納品手間の圧倒的な差
FBAは、商品をFCへ納品した後の保管・ピッキング・梱包・配送に強いサービスです。
一方でAmazonサプライチェーンサービスは、その前段の海外輸送や上流在庫保管まで吸収します。
FBA前線在庫を必要量に絞り、残りはAWDに置く設計がしやすく、納品作業の分断も減らせる点で大きく異なります。
【民間3PLとの比較】Amazonシステムとの連携による利便性と費用対効果
3PLは、荷主の立場で物流を企画・設計・運営する包括受託モデルで、流通加工や独自ルール対応の柔軟性が魅力です。
対してAmazonサプライチェーンサービスは、FBA在庫状態・自動補充・他販路在庫プールをAmazonの標準機能でつなげられるのが強みです。
Amazon中心運用ならASCS、複雑な加工要件が強ければ3PLが有力な判断軸になります。
Amazonサプライチェーンサービスの導入・利用の流れ
導入は難しそうに見えますが、実務は「在庫をどこに置き、どの条件で補充させるか」の設計に集約されます。
AWD納品の入口と、自動補充が実際に動く条件を整理します。
A. AWDへの納品手続きと在庫の登録方法
セラーセントラルのAWD画面から該当のSKUを選び、「AWDに納品する」をクリックして出荷を作成します。
AWDページでは、貨物の作成・追跡・在庫移動・補充状況の確認が可能です。
手順は以下の流れで進みます。
- 対象SKUを選択して出荷作成を行う
- 梱包仕様と数量を入力する
- 輸送手段を選択して納品ラベルを印刷する
- AWD倉庫へ発送する
なお、クロスボーダー前提のグローバル導線では、先にAGL登録が必要と案内されています。
B. 自動補充が発動する条件とFBAへの反映プロセス
自動補充を有効にすると、Amazonがプライム対応FCの在庫を監視し、必要時にAWDからFBAへ補充します。
重要なのは、自動補充をオンにしただけで終わらないことです。
手数料面の恩恵を受けるには、SKUごとに直近90日で70%以上を自動補充経由に寄せる運用設計が必要です。
また、AWDからFBAへの補充反映には一定のリードタイムがかかります。自動補充での反映はおおむね10日〜2週間程度が目安で、初回のAWD受領からFBAで販売可能になるまでは数週間かかることもあります。
繁忙期やセール前は特に、在庫切れの前に余裕をもったスケジュールで補充を仕込む設計が重要です。
Amazon物流の効率化なら運用代行・コンサルの活用がおすすめ
Amazonの物流は、単なる倉庫手配ではなく、需要予測・補充比率・通関・納品設定・手数料最適化が絡む運用設計です。
Amazonはデータとアルゴリズムで物流KPIを管理する構造であるため、欠品が怖い・どこでコストが膨らむか読めないという企業ほど、運用代行やコンサルを活用してSKU別の補充戦略まで設計する価値があります。
実務では、コンサルに依頼することで以下のような整理がしやすくなります。
- AGL・AWD・FBAの役割分担の設計
- 商品適格性の確認とエラー原因の切り分け
- どのSKUをFBA前線に何日分置くべきかの最適化
特に、Amazon売上が拡大局面にあるブランドでは、物流設定の遅れが販売機会損失に直結しやすいため、早めの体制整備が有効です。
しるし株式会社では、Amazonをはじめとする楽天市場やQoo10など主要ECモールでの豊富な運用実績をもとに、物流設計から在庫最適化・広告運用まで一貫してサポートしています。
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Amazonサプライチェーンサービスで次世代の物流効率化を実現しよう
Amazonサプライチェーンサービスは、海外工場からAmazon倉庫、さらに他販路までをつなぐ物流OSのような存在です。
特に、海外生産・多SKU・在庫波動が大きいブランドほど恩恵を受けやすい設計になっています。
一方で、特殊な流通加工や国内独自要件が多い場合は3PL併用も有力な選択肢です。
まず取り組むべきことをまとめると、以下の通りです。
- 自社の調達先・在庫量・Amazon売上比率を整理する
- AWD・AGL・FBAのどの組み合わせが自社に合うかを検討する
- 自動補充の設定と補充比率の目標値、補充リードタイムを見込んだ在庫計画を設計する
FBA単体運用から一段上の物流最適化へ、ぜひ本記事を参考に第一歩を踏み出してみてください。
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吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店に入社し、デジタル広告運用の最前線で実務経験を積み、データドリブンな戦略立案と分析スキルを習得。その後、しるし株式会社に入社し、Amazon事業部にて化粧品・ヘアケア・食品・家電・医療用品など幅広いカテゴリのブランドのECモール運用を担当。2025年よりAmazonチームのマネージャーとして、戦略設計から施策の立案・実行までをリードし、ブランド価値の最大化にコミット。

監修者
吉原 香奈
Amazon専任コンサルタント
大学卒業後、大手インターネット広告代理店を経て、しるし株式会社のAmazonチームのマネージャーに就任









